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地域で暮らす支えに 在宅医療ネットワーク ござれやネット(新潟市北区)

2016年11月11日

問題解決へプロが結集 講演、勉強会で輪大きく

住み慣れた地で、医療や介護を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築が急がれている中、新潟市で医療・介護従事者らによるネットワークづくりが広がっている。特に在宅医療を支えるためには、多職種の専門職が垣根を取り払い、連携していくことが欠かせないからだ。現在、市内に17団体できているネットワークの一つを訪ねた。

「医療や介護の制度は、お互いに分かりにくい」「リハビリの専門家の話も聞いてみたいね」-。

新潟市北区の早通地区にある山口クリニック。「北区医療と介護のささえあいネット(ござれやネット)」の中心メンバーが、次回の勉強会に向けて話し合っていた。

 北区全域をエリアとするござれやネットは、2014年12月に発足した。内科の開業医2人と病院、介護に関する住民からの相談窓口である地域包括支援センター、区役所などの「世話人」を核に、歯科医や介護事業所、栄養士ら、さまざまな職種の約20人が運営に関わっている。

 代表を務める山口クリニックの山口正康医師(61)は、開業して約20年になる。この間、地域の高齢化はだんだんと進み、往診を必要とする患者は増加。往診先では、頼れる身内がいなかったり、介護など必要な支援を受けるすべを知らなかったりと、気掛かりな状況も少なくない。

 「在宅で自分らしい生活を送ってもらうには、医療が介護や福祉と結び付き、共に支える態勢づくりが必要だ」。地元の介護従事者らに声を掛け、クリニックに集まってもらったのがネットの出発点になった。

 ネットでは、地域の医療や介護関係者らに呼び掛け、年数回の講演会やグループワークを開いている。

 さらに、今年9月には、互いの仕事への理解を深めようと、多職種の人たちが、それぞれの専門分野から、在宅医療に役立つ知識を講義する2カ月に1回の「元気塾」を始めた。皮膚科や循環器科など、これまでネットに参加していない診療科の医師にも講師を依頼。地域内で「顔の見える関係」を広げていきたいという。

 活動を通して、往診医と訪問看護や介護事業所の間では、在宅患者の状態や処置内容などについて、情報交換がスムーズに行われるようになってきている。

 「医療や介護を受けてこなかった高齢者の具合が悪そうだが、どうしたらよいか」など対応に苦慮する場合では、多職種で相談し、解決の糸口を探す。

 ネットに参加する地域包括支援センター上土地亀の大根沢恵美子センター長(49)は「以前は、ケアマネジャーが在宅高齢者の認知症を疑いながら、医師への相談をためらううちに症状を悪化させたケースもあった。医師との垣根が低くなったことで迅速に相談でき、適切な治療や支援に早くつなげられるようになった」と話す。

 診療所と病院の連携も強くなっている。ネットの事務局を担う豊栄病院では昨年から、普段は開業医の往診を受ける患者を登録しておき、往診医が急変時に対応できない場合は受け入れるバックアップの仕組みを取っている。

 ネット代表の山口医師は「一時的には施設や病院に入ることがあっても、地域で暮らしたいと望む人が、在宅で最期まで過ごせる受け皿を整えたい。今後はさらに、開業医同士の協力態勢をつくり、市民向けの講座を開くなどしていきたい」と意気込みを語る。

新潟市内に17団体 エリアや内容多彩に展開

 高齢化の進展を見据えた、新潟市の多職種による在宅医療ネットワークは、行政の補助金などの後押しもあり、この5年間で急増し、全区に広がった。

 現在ある17団体の多くは、開業医が代表を務める。活動エリアや内容はさまざまだ。市内全域を対象にがんの緩和ケアに特化して取り組むところや、市薬剤師会が中心となったところなどがある。

 2015年度に施行となった改正介護保険法に伴い、全市町村は18年4月までに、在宅医療のシステム構築のため、医療や介護従事者からの相談を受け、連携支援や情報提供に当たる窓口を整備することになっている。

 同市では15年度、市医師会に「在宅医療・介護連携センター」を設置。さらにセンターのサテライトとして、8区全てに「在宅医療・介護連携ステーション」を設けた。ステーションは原則として、在宅医療ネットワークの事務局を担う医療機関に置かれている。

 市医師会在宅医療推進室の斎川克之室長(45)は「医療と介護の連携は、住民が地域で最期を迎えるまで安心して過ごせる選択肢を増やす取り組みでもある。連携の輪を広げていきたい」と語る。


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