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こんな時どうしたら

〈第4回〉娘夫婦と3人暮らしの90歳

2016年12月26日



食欲落ち寝たきり 入院望まず

かかりつけ医が訪問診療 看護、リハビリで回復


 娘夫婦と3人暮らしの女性Dさん(90)は高血圧で、20年以上かかりつけの医院から薬をもらっています。以前は何とか娘夫婦に付き添われて通院可能でしたが、ここ数カ月は気力が落ちて通っていません。楽しみにしていたデイサービスでのレクリエーションに加わることが少なくなり、徐々に食欲も落ちてきました。

 そのため心配した娘夫婦がかかりつけ医を訪ねました。この1週間ほとんど食事をとれず、ベッドから動けなくなってしまったとの相談です。早速かかりつけ医が往診すると、以前より小さくなった印象を持ちましたが、病状が特に悪化した様子はありませんでした。

 ただ、口が少し乾いて脱水症状が見られ、本人からは点滴の希望がありました。だるさは少し改善されると考えられたため500㍉㍑だけ点滴し、状態確認のため採血しました。

 本人は今まで受診のたび自宅で最期を迎えたい意向を話していましたが、この日も「入院はしたくない」と活気のない声で繰り返しました。家族には在宅でのみとりに不安もありましたが、本人の希望通りにしたいと言います。

 翌日出た血液検査の結果は脱水以外に以前の数値と変わりなく、本人も「少しは食べる気になった」とやや持ち直した表情です。かかりつけ医は1週間後に再訪することにし、その間の点滴と状態確認のため訪問看護を手配しました。

 1週間の訪問看護で毎日点滴を行ったところ食欲は戻りましたが、寝ていた時間が長かったためベッド上の生活になりました。自宅でより良く暮らし続けるためには体力の回復を望みたいところです。

 リハビリ次第ではベッドからポータブルトイレに移ることができそうな見込みで、本人の意欲も確認できました。このため、かかりつけ医は訪問看護ステーションからのリハビリを依頼しました。

 リハビリが進むと徐々に歩行器を利用して歩くことが可能となりました。長期の寝たきり状態だったにもかかわらず、訪問看護師による手当てで大きな床ずれもできずに過ごせました。

 また食事の時に当初、ややむせこみがありましたが、食材を一口大に刻むといった調理を検討し家族に指導。誤嚥(ごえん)性肺炎を起こさずに済んでいます。こうした定期的な訪問により、家族も安心して在宅療養を受け入れられるようになりました。






阿部胃腸科内科医院理事長

阿部行宏さん




在宅療養の意思尊重には

多職種連携しサポートを


 どこでどのような治療をするのかの選択は非常に大切です。本人の希望があればそれに沿ってあげたいものです。本人の意思を確認できない場合には家族が、元気なころの本人の思いを考えて療養の選択をしていただくことが重要です。

 在宅療養はさまざまな職種の関わりとサービスがあって成り立ちます。今回はかかりつけ医と訪問看護師、訪問リハビリをする理学療法士のほか、介護の要となるケアマネージャーが関わり、皮膚を清潔に保つために訪問入浴を提案しました。ほかにも訪問歯科医や訪問薬剤師がおり、訪問介護やデイサービス、ショートステイなどのサービスがあります。

 このように多職種がそれぞれの専門性を生かしながら連携することによって、さまざまな形の在宅療養生活をサポートできます

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