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こんな時どうしたら

〈第5回〉止まらぬ咳で夜も眠れず 受診先は病院?クリニック?

2017年1月16日



近くに「かかりつけ医」を

協力病院予約も可能

 Eさん(55)は2週間も咳(せき)が止まらず、夜も眠れない日々が続いていました。この日も夜が明けたら遠方の大きな病院に行くか、自宅近くのクリニックに行くか悩んでいました。

 Eさんは以前、風邪で病院に行った時のことを思い出したと言います。初診だったため、まずはカルテを作成。その後、長時間待って診察を受けましたが、検査の枠が埋まっていたため後日あらためて検査することに。待ち時間の長さで余計具合が悪くなったと言うのです。

 それで翌朝は近くのクリニックを訪れました。幸い待ち時間も短く診察を受け、急性気管支炎との診断でした。Eさんと同じ年格好の医師は、咳の症状だけでなく、これまでの病歴などもよく聞いた上で、数日は内服薬で様子を見ると説明しました。

 また、症状が改善されなければ、クリニックと協力関係にある病院に紹介状を書き、その場から予約を取ることも可能だと言います。医師は「診察だけでなく、CT検査を予約できる病院もありますよ」と重ねて説明しました。

 Eさんにとっては意外な話だったようですが、クリニックの医師の多くが、複数の病院と協力関係を構築しています。病院側も連携室という部署を設け、クリニックからの紹介や予約を受け付けているのです。

 この日Eさんは、咳の他にも体調面で気になることを医師に尋ねることができ、安心感を抱いたと言います。今回のように急ぎの診察を受けたり、体のことを何でも相談できたり、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれたり…こうした役割を担うのが「かかりつけ医」なのです。

 かかりつけ医は、住み慣れた地域で暮らし続けられるよう国が構築を急ぐ「地域包括ケアシステム」でも重要な存在です。全国の医師会や病院も、かかりつけ医と病院との連携を推進しています。かかりつけ医から紹介を受けた病院の医師は患者に専門的な治療を行い、症状が安定すれば再びかかりつけ医に診察を依頼するのです。

 まずは自宅や職場近くなど身近なクリニックに足を運びましょう。話をよく聞いてくれるか、丁寧に説明してくれるかどうかなどを意識して、長い付き合いとなるかかりつけ医を見つけてください。




済生会新潟第二病院・地域連携福祉センター副センター長

新潟市医師会在宅医療推進室室長

斎川克之さん




かかりつけ医との付き合い

健康時から信頼関係

 地域包括ケアシステムを推進する中で、病院など医療機関だけでなく、ケアマネジャーや看護師らと連携し大きな役割を担うのが「かかりつけ医」です。住み慣れた地域で暮らし続けるためには、最寄りのクリニックなどを探し、医師と健康なうちから信頼関係を作り、継続的に診てもらうことが大切です。

 行きつけの美容院や、なじみのお店と同じと考えてみてください。自分の好みに合って優しく、時には本人のためになる厳しい言葉も掛けてくれる。それらが信頼となり、長い付き合いになります。

 自分をよく知るかかりつけ医は、より専門の診断や検査が必要かどうかを判断します。自宅での療養を望むなら定期的な訪問診療と訪問看護・リハビリなどの支え方についても。クリニックや病院それぞれの役割を考えてみませんか。

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