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こんな時どうしたら

〈第8回〉大腿骨骨折で入院、認知症の88歳 生きがいの畑仕事復帰望む

2017年4月10日



専門職連携、リハビリ介助

目標設定し筋力回復


 息子と2人暮らしのHさん(88)は、アルツハイマー型認知症の診断を受け「要介護1」の認定を受けています。もの忘れは時々ありますが、若い頃から続けてきた畑仕事は確かで、おいしい野菜を作っていました。

 ある朝、食卓に向かう廊下で転び足を痛めました。息子の付き添いで受診した病院の整形外科で左大腿骨転子部骨折と診断。翌日には入院し、骨を接合する手術を受けました。

 手術後医師からリハビリテーションの指示が出され、歩行訓練が始まりました。最初の設定目標は「家の中を歩行できる」です。認知症のあるHさんはリハビリの内容を覚えることが難しく、自分一人では訓練できません。常に理学療法士が付き添いました。

ベッドサイドで立ち上がり動作の訓練をした後、リハビリ室の平行棒につかまって歩く訓練へ移行。6週間の入院を経て、室内の歩行ができるほどに回復しました。

 退院を前にして、自宅での暮らしに向けた調整会議が開かれました。その場には病院側の医師や看護師、理学療法士だけでなく、在宅生活を支援するケアマネージャーやデイサービスの職員らが顔をそろえます。もちろんHさんと息子も加わって、どんな支援が必要かを話し合うのです。

 Hさんは「また畑で野菜をつくりたいなあ」とぽつりと言いました。これが本人の一番の望みだと参加者全員が認識を共有しました。そこで凹凸のある屋外の歩行が可能か、仕事のため息子が不在となる日中の支援をどうするかが主に検討されることになりました。

 まず医師が骨折自体は治癒していると説明。理学療法士は屋外を歩くほどには筋力が回復しておらず、歩行器が必要と指摘しました。

 これらを受けデイサービスの利用が、同職員から提案されました。病院の理学療法士に、筋力回復の目的を踏まえた動作の介助ができるよう歩行訓練のメニュー提示を依頼。併せて日中の家族不在時も安全だと確認します。福祉用具の担当者は、屋外の移動時でも操作性の高い歩行器があると話しました。

 こうしてHさんは退院後4週間、日曜日を除く毎日、デイサービスに通いました。体幹の筋力と脚力を高める運動や踏み台の昇降を訓練。努力のかいあって筋力向上が確認されました。加えて歩行器の使い方にも習熟しました。

 退院から2カ月余。自宅玄関で呼び掛けると、外から声がします。周りを見渡すと、畑で土にまみれた手を振るHさんの笑顔がありました。




ささえ~る+アドバイザー

角屋宗敬さん

(在宅介護支援センター堀之内 管理者)





リハビリ専門職の支え

暮らしの目標伝えて


 けがや病気はしばしば体の動きや機能を低下させ、日常の動作や生きがいにしていたことを行いにくくすることがあります。

 そんな時支えになるのが、理学療法士や作業療法士らリハビリの専門職です。一人一人の生活目標に合わせた動作の回復や習得に向け訓練してくれます。また退院後も、在宅介護サービスのスタッフとの連携によって、リハビリ効果が期待できます。

 リハビリに取り組む際には、具体的に「どのような暮らしを送りたいか」をリハビリの専門職に伝えることが大切です。

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