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こんな時どうしたら

〈第9回〉透析、脳梗塞でまひ残った78歳 頑固な夫の在宅介護に不安な妻

2017年4月24日


タクシー通院、訪問入浴も

主治医相談が後押し


 糖尿病性腎症で10年ほど前から透析が必要になったIさん(78)。2年前に足の血流が悪くなり、右足の指を切断しました。その入院治療中に、脳梗塞を発症し右上下肢のまひが残りました。会話にも不自由な点があり、自分が病気であるという自覚や注意力にも欠ける状態となりました。

 2人暮らしの妻から、退院後の生活に不安が大きいと病院の窓口に相談がありました。病気をする前の本人はかなり頑固で妻の言うことを一切聞かず、自分がすべて決める亭主関白。そのため在宅介護への不安を募らせたようでした。また、元々は自立していたIさんですが、透析通院に車の運転ができなくなったためです。

 まずは介護保険の説明をし、申請を手伝いましたが、妻の不安をよそに本人の帰宅願望が日に日に強くなりました。「とにかく家に帰りたい。誰の世話にもなりたくない。帰してくれ」と言うのです。「透析を受けたくない」と治療に後ろ向きになる日も出てくるほどでした。

 そうは言っても、食事以外は全介助状態のIさんです。このまま自宅に戻す訳にはいきません。現状を本人と共有し、病院内のリハビリテーションの見学もしました。通院や入浴に何らかの支援が必要なことは、渋々納得してくれました。

 帰宅したいとの気持ちが限界に達したある日、主治医と本人が相談し、1週間で準備を整え退院することになりました。妻はまだ不安でいっぱいでしたが、サービス利用について次のように相談し、最終的に退院を受け入れました。

 妻としてはデイサービスを利用させたい意向でしたが、本人は家でゆっくりしたいと希望。本人の意思を優先して訪問入浴の利用と、ベッドと車いす、スロープのレンタルで在宅での療養をサポートすることにしました。妻が特に心配した、透析のための通院には、介護タクシーを利用することとなりました。

 1週間の短い準備期間でしたが、ケアマネージャーの迅速な対応があって、無事に退院日を迎えることができました。ずっと不安を訴えていた妻に尋ねると、主治医から「いつでも相談に乗るから安心して」と言ってもらい、決心がついたと打ち明けてくれました。

 しばらくして通院してきた、カジュアルな装いの本人に会いました。念願の在宅復帰がかなったせいか、とてもいい顔をしていました。

していました。




ささえ~る+アドバイザー

岩淵 英理さん

(豊栄病院 医療ソーシャルワーカー)





透析患者の在宅サービス

医療と介護の連携探って


 透析患者には、1日おきの通院や食事制限などもあり、要介護度の高い在宅療養の場合は大きな負担が掛かります。ショートステイなど在宅サービスでの利用もまだまだ十分に対応できていません。しかし、簡単にあきらめず、医療と介護の連携による利用が可能か探ってみてください。

 例えば、月・水・金曜日は透析のための通院とし、火曜日はデイサービスを利用。木曜日のみ終日自宅で療養し、土~月曜日は2泊3日のショートステイを利用するパターンも考えられます。これにより在宅介護を担う家族の負担も軽減できるのです。

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