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こんな時どうしたら

〈第11回〉神経難病の息子と二人暮らしの80歳 救急車要請度々、軽症で帰宅

2017年6月26日



訪問看護導入、頻繁に顔出し

不安和らぎ通所利用


 慢性胃炎や神経痛の持病があり要介護1の女性Kさん(80)は当初、神経難病で自宅療養の息子との二人暮らしで、生活援助中心の訪問介護サービスのみを利用していました。

 息子の病気の進行に伴う気持ちの不安定さも影響したのか、少し具合が悪く感じるたびに救急車を呼び救急外来の受診を繰り返しました。受診結果はいつも、心配するような所見はなくそのまま帰宅していました。

 軽症者の頻繁な救急車要請は、本来必要とする重症者搬送の妨げになりかねず、悪くすればタクシー代わりの利用とも受け取られかねません。

 そこでKさんのケアマネージャーが、関わりのある訪問介護士と在宅医を集め支援のあり方を再検討しました。高齢で在宅療養生活を送る中で健康面の不安は大きな課題ですし、今回のケースは息子の病状に対する心配が大きいことを共有しました。

 そこであらためて本人の健康状態の観察や療養支援、また必要時には24時間の緊急訪問対応、そして息子の病状も視野に入れて関わる方針を確認。医療面でのサポートを強化するため、かかりつけ医の指示による訪問看護中心に切り替えることになりました。

 訪問看護の利用当初はやはり、定期的な訪問以上に「胸が苦しい。ふらつく感じがする」など緊急呼び出しの訪問が多い状況でした。

 しかし、呼び出しの訴えに対処した看護をする中で、息子の受診がある前日や朝方の呼び出しが多い傾向に気付きました。

 そこで訪問看護師が出勤前や退勤後にKさん宅に顔を出すなど先手を打って、安心感を与える見守りに努めました。息子の体調が悪いようなら通院を勧める声掛けもしました。Kさんはこうしたことで徐々に落ち着きがみられ、結果的に頻繁な救急車の出動要請はなくなりました。

 また、閉じこもりがちだった二人暮らしが、訪問看護の導入以降、他者とのコミュニケーションに変化が現れました。

 以前のKさんは通所介護(デイサービス)利用を勧めても受け入れませんでしたが、週1回の利用から始めました。衰えを感じた身体機能の回復を意識したこともあるでしょうが、軽いリハビリテーションや入浴、地域の人々とのおしゃべりも楽しんでいる様子です。





ささえ~る+アドバイザー

吉井 靖子さん

(高齢者総合ケアセンターこぶし園総合施設長)




不安抱えた在宅療養者への対応は

訪問看護機に信頼関係


 看護や介護サービス利用者の置かれた状況は人それぞれです。今回は難病を抱えた息子との二人暮らしで大きな不安を抱えていた要介護者が、訪問看護がきっかけになって在宅での安定した療養生活を送れるようになった事例でした。

 頻繁な救急車要請の背景にある事情をくみ取り、多職種の連携で改善策を探りました。とりわけ訪問看護師が緊急訪問や定期訪問を重ね、利用者に寄り添って信頼関係を築いたことが大きかったように思います。デイサービスの利用にもつなげ、住み慣れた地域での暮らしも後押ししました。


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