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こんな時どうしたら

〈第13回〉脳梗塞再発で入院、病状悪化の79歳 自宅復帰希望も身体、金銭面に不安

おとなプラス 毎月第4土曜 掲載

2017年7月24日



窓口助言で生活保護申請

食事付き住居に引越


 脳梗塞を患い軽度の右まひが残ったMさん(79)が、再び脳梗塞を起こし入院してきました。右まひに加えて下肢のまひが進み、右側の「注意力欠損」や正しい動作ができない「失行症状」が顕著に現れたのです。

 妻と子どもは既に亡くなり1人暮らしで、兄弟とは全く連絡を取っていません。今回の入院前は要支援1の認定を受け、デイサービスを週2回とホームヘルプサービスを週2回利用。日々の生活や入院時などは、友人がサポートしていました。

 ただ、貯金がなく年金収入だけでは、アパート代と食費、介護サービス利用費などを支払うとほとんど残りません。年金を受け取る月に家賃を2カ月分まとめて支払っていました。

 このためMさんは再入院後、病院の相談窓口に医療費の心配を訴えました。病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)と、在宅生活時から金銭面の状況を聞いていた地域包括支援センターの担当者がすぐに介入。本人と友人も交えて金銭面のやり繰りなどについて早くから相談を始めました。

 病院では入院早期から退院後を見据え段階的に、本人と専門職らによるこのようなカンファレンスを行います。Mさんは当初、家族との暮らしの思い出が詰まったアパートの部屋へ帰ると強く望みました。

 しかし、入院中リハビリを続けても転倒しかねない身体状態は大きく改善できませんでした。専門職の目から見て、一時的な自宅内移動や外出の訓練でも段差でのつまずきや調理が難しい―などさまざまな不都合は明らか。1人暮らしの維持には大変危険があると判断し、何度も本人と話し合いました。

 かたくなだった本人も外出訓練を繰り返す過程で徐々に自身の状況を認識し始め、「1人暮らしはもう無理だ」と納得。住み慣れたアパートを出て、常時気に掛ける人がいる所へ引っ越す決心をしました。経済面での不安は、カンファレンスでの助言により申請した生活保護申請を受けられることで解消できました。

 この結果、食事付きでバリアフリーのアパートへの入居と要介護3への区分変更で介護保険サービスの利用拡大が可能になりました。幸い友人宅からもさほど遠くありません。週2回デイサービスに通い、ヘルパーも継続利用します。引っ越しに少し寂しい表情も浮かべましたが、「安心して暮らせるのが何より」とうなずいて退院しました。





ささえ~る+アドバイザー

岩淵英理さん

(豊栄病院 医療ソーシャルワーカー)




周囲とのつながり保つには

地域で住み替えも選択肢


 多くの人は退院後、住み慣れた自宅へ戻ることを強く望みます。もちろんわが家への愛着があり、なにより地域や周りの方たちとのつながりを大切にしているからでしょう。今後はMさんのように自宅へ戻るのが難しくなっても、地域へ戻ることができるような住み替えの提案も増えてくると思います。

 管理人のいる食事付きアパートも選択肢の一つでしょう。玄関は一つですが、お部屋にはキッチン、トイレ、バスもあり、プライバシーも保たれます。料金の設定もさまざまで、支援の範囲も個々に違います。

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