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こんな時どうしたら

〈第12回〉筋ジストロフィーで寝たきりの68歳

2017年6月27日



施設での入浴に抵抗感

自宅ベッド脇に浴槽搬入

 「夫の家事の都合でお風呂を午前中にしてもらえるといいのだけど」。受話器の向こうから、明るいLさん(68)の声が聞こえます。夫と2人暮らしで家事や家計を切り盛りしていましたが、筋ジストロフィーで1年前から寝たきりになりました。「要介護4」の認定を受けています。朗らかな性格で両腕と首は自分で動かせるため、自分でケアマネージャーに電話を掛けてくるのです。

 とはいえ寝返りにも介助が必要で、病状は決して軽くありません。食事を取るのは電動ベッドの背を30度ほど起こし、夫に手伝ってもらいながら。体を曲げると痛みがでるため、車いすでの外出もままなりません。

自宅で健康に暮らし続けるためには体を清潔に保つことが大切です。清拭や洗浄も有効ですが、やはり入浴が最善です。

 介護保険サービスでの入浴の方法は、デイサービスやショートステイのように出掛ける方法と、訪問介護や訪問看護、訪問入浴のように自宅で入浴する方法があります。

 Lさんは「デイサービスでは他の利用者より若く、年齢のギャップを感じる。大勢のところで気を使って順番に入るよりも自分のペースで入りたい」と話します。その思いと体の動き具合から、訪問入浴サービスを利用しています。

 利用するには主治医から訪問入浴が可能かどうかの判断をしてもらいます。病状や入浴時の留意事項、介護士のみでの入浴が可能かどうかの指示も必要です。

 訪問入浴のスタッフが到着すると、まず看護師が体温、脈拍、血圧を測定します。その間、介護士が車両から組み立て式の浴槽をLさんの居室に運び込み、ベッド脇に設置。ポンプで浴槽に湯を満たす間、Lさんと介護士は世間話をしながら服を脱ぎます。

 Lさんは介護士に抱えられてゆっくりと湯船に漬かります。「ああ、気持ちいい」。自然に言葉と笑みがこぼれ、リラックスした様子です。

 入浴は皮膚を清潔に保ち、床ずれの予防にも効果的です。介護士は体を洗いながら皮膚の状態を観察。気付きづらい場所に発疹などがあれば本人に伝え、利用者の様子を連絡ノートに書き込み医師・訪問看護・訪問介護で共有します。

 風呂からあがり、血行が良くなったLさん。「気兼ねなく風呂に入ることができるのはありがたいよ」とまた笑顔になりました。





ささえ~る+アドバイザー

角屋宗敬さん

(在宅介護支援センター堀之内 管理者)




入浴サービスの選択

環境確認し自尊心に配慮


 入浴はとても個人的な時間ですから、本人の自尊心と羞恥心への配慮が必須です。入浴に関する支援では、サービス事業所ごとに様々な配慮がされています。デイサービスやショートステイ等を利用の際には、どのような入浴環境なのかを確認してみてください。

 また、入浴は気持ち良く、疲れを癒やし、リフレッシュにもなる一方で、高齢者の方には体に大きな負担が掛かることがあります。入浴の際に留意することについて、主治医に聞くことをお勧めします。

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