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こんな時どうしたら

〈第20回〉心不全の持病がある要介護1の83歳 デイサービス利用中に体調急変 心肺蘇生、家族がみとり 最期まで自分らしく

新潟日報

2018年4月28日

デイサービス利用中に体調急変

心肺蘇生、家族がみとり

最期まで自分らしく

 1人暮らしの女性Tさん(83)は3年ほど前、認知症と診断されました。子どもたちは市内に住んでいて、定期的に実家へ帰り、買い物や病院の送り迎えを介助。Tさんは水入らずの外食をとても楽しみにしていました。また、地域のサロンにもよく顔を出す社交的な性格で、生き生きとした生活を送っていました。

 しかし、年齢とともに認知機能が低下し、周囲も「1人では身の回りのことができないのでは」と心配しだしました。サロンと連携する地域包括支援センターの担当者が、家族の意向を受けて要介護認定の申請手続きを行いました。心不全や高血圧の持病もあり、判定は要介護1。居宅支援事業所に橋渡しをし、デイサービスを利用することにしました。

 様子を見るため週1回のプランから始め、食事や入浴のサービスを受けました。環境が変わったばかりのころは多少混乱した様子もありましたが、やがてレクリエーションに参加するなどなじんできたため、週2回の利用に増やしました。

 ただ、大好きなビールを飲んでいたり、顔のむくみも見られたりしたことから、ケアマネジャーに「かかりつけ医の診察が必要」と伝え、家族にも連絡しました。

 それからしばらくして、デイサービス利用中にTさんの体調が急変します。血圧や脈拍などバイタルチェックも問題なく、普段通りつえをついて歩いていましたが、「胸が変だ」と訴えたのです。横になったTさんはスタッフに「迷惑を掛けてしまったね。でもここに来るのが楽しみだったから」とすまなさそうにわびました。

 スタッフが「大丈夫ですよ」と安心させた直後に状態が急変。救急車を要請し、自動体外式除細動器(AED)で心肺蘇生を試みました。迅速な対応のかいがあって息を吹き返しました。数日後に亡くなりましたが、家族は「デイサービスの日でなければ、1人で亡くなっていた。家族一緒の時間を過ごし、みとることができた」と涙ながらに話してくれました。





ささえ~る+アドバイザー

吉井靖子さん

(高齢者総合ケアセンター こぶし園総合施設長)




みとり、デイサービスでも

地域を挙げ生活支える

 Tさんのデイサービス利用は約4カ月間。短い期間のお付き合いでしたが、最期まで自宅で自分らしい生活を送られたようです。定期的に通って見守る家族はもちろん、地域のサロンに通う昔なじみらとの交流が楽しみな様子でした。本人の明るい性格もあってデイサービスでも新たな仲間ができましたし、地域包括支援センターや居宅支援事業所、デイサービス事業者が連携して生活を支えました。

 デイサービスは日中だけで、比較的状態の安定した人が利用します。ただ、1人暮らしの高齢者が増加する中、今回のようにデイサービス中に体調が急変するケースも今後増えるかもしれません。支え方やみとり方について考えさせられました。

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