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こんな時どうしたら

〈第23回〉足に潰瘍、栄養状態悪化の59歳 パーソナルサポートセンターが支援

新潟日報

2018年7月28日



自宅片付け、保障手続き

生活の全般を支える

 3年前に母を亡くし、1人暮らしの男性Wさん(59)。市内の別の病院で足の潰瘍を治療したものの、思うように回復せず中断。数年間、放置していましたが、心配した近所の人の勧めもあり、当院を受診しました。
 いとこの女性と一緒に受診したWさんに話を聞くと、若い頃の事故の後遺症で車の運転ができず、仕事も長続きしないことが分かりました。母の死を機に生活は荒れる一方。潰瘍の治療に加え、悪化した栄養状態を改善するため、しばらくの間入院し、リハビリに取り組むことになりました。
 治療とともに、問題となったのが生活全般の支援でした。収入はほとんどなく蓄えを切り崩していました。生活保護の申請を検討しましたが、現状では認められるめどが立たず、就労や生活全般を支援する地域の「パーソナルサポートセンター」に協力を求めました。
 センターの相談支援員は行政や医療機関、NPO法人などと連携し、相談者の自立を手助けします。入院当初より、自宅の片付けや金銭の事務処理など多岐にわたる問題をスムーズに解決するため、いとことともに支援をしてくれました。
 入院中のWさんはスタッフはもとより、支援員とも打ち解けた様子でした。身内の中で唯一の協力者であるいとこも一人で抱え込むことなく、支援に感謝していました。
 治療のかいもあり、症状は徐々に改善、退院の日を迎えます。Wさんはてんかんの受診歴があり、経済面などの整理ができたことから中断していた脳外科病院での治療を再開しました。これで障害福祉サービスを含めた日々の生活支援を受けることが可能となりました。

 しかし、家の片付けと修理に思った以上に金額がかかることが判明し、自宅へ戻ることを断念。相談の結果、退院後は食事付きのアパートへ引っ越しました。持ち家である自宅の整理や社会保障の事務手続き、病院の受診など、退院後も必要な支援はセンターが引き続き行うことで、現在も生活全般を支えています。



ささえ~る+アドバイザー
岩淵 英理さん

(豊栄病院 医療ソーシャルワーカー)


生活困窮者の自立
さまざまな制度活用を
 病院を訪れる患者さんの中には、さまざまな問題を抱え、日常生活や経済面で自立が困難な人もいます。生活困窮者自立支援法に基づく生活困窮者の支援制度は2015年4月にスタート。地域の「パーソナルサポートセンター」は、包括的かつ個別的に相談支援を行っています。
 相談者の生活を立て直すためには、医療だけでなく社会福祉や介護、就労などさまざまな制度を活用する必要があります。今回の事例のように、協力的な身内が限られている場合、センターの相談支援員は強い味方となるでしょう。
 一人で悩まず、相談してみてください。新たな一歩を踏み出すきっかけをつくってくれると思います。

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