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こんな時どうしたら

〈第25回〉寝たきり、要介護5の91歳 誤嚥性肺炎繰り返し入退院

新潟日報

2018年9月22日



看護と介護の職員が連携

自宅で家族がみとり

 家族と同居する女性Yさん(91)は、アルツハイマー型認知症を発症し、寝たきりの状態。四肢のこう縮も強く要介護5です。身体の衰えに加え、飲み込む力が弱まったため、誤嚥(ごえん)性肺炎を併発し、入退院を繰り返していました。
 自宅にいる時は、市内のデイサービスやショートステイをたびたび利用していましたが、いつ肺炎を再発してもおかしくない状態でした。仕事を抱え、日中不在にすることが多い家族の要望に合わせ、「看護小規模多機能型居宅介護サービス」を提案しました。
 このサービスは、施設通所と訪問介護を組み合わせた従来の「小規模多機能型居宅介護」に訪問看護を追加したものです。家族の帰宅時間やスケジュールに合わせ、介護、看護の訪問時間やショートステイの日程を調整。夜間に「呼吸が苦しそうだ」との緊急連絡が入れば、看護師が駆け付けるほか、臨時の泊まりにも対応するなど、24時間態勢でYさんを支えました。
 日によって飲み込み方の状態は変わります。まばたきや口元の動きでYさんの意思を確認しながら、ケアを続けましたが結局、誤嚥性肺炎を再発し、2週間、入院しました。
 退院後、自宅に戻ったYさんは、口から食べることはますます難しくなりました。それでも家族は「自分の仕事と介護とを両立させたい」「最期まで自宅で過ごさせたい」と望んだため、最終的にみとりも視野に入れ、サービスを継続することになりました。
 理学療法士や言語聴覚士と連携し、床ずれ防止や食事の介助などに当たりましたが、症状は少しずつ悪化していきます。再度の入院を検討したものの、「(チューブで直接、栄養を胃に送り込む)胃ろうではなく、一口でも自分で食べてほしい」との家族の思いは変わらず、見送られました。
 最期は自宅で安らかに息を引き取ったYさん。家族からは「自宅で診てもらえて本当によかった」と感謝されました。



ささえ~る+アドバイザー

吉井靖子さん(高齢者総合ケアセンターこぶし園総合施設長)




施設と同等のサービス

定額制で対応も柔軟に

 「看護小規模多機能型居宅介護」を利用すれば、中重度の高齢者が、施設と同じサービスを受けながら、自宅で暮らすことが可能となります。定額制の上、状況に応じ、柔軟な対応ができることが特徴です。
 今回のケースのように要介護5で寝たきり、嚥下障害のあるYさんが、自宅で最期を迎えられたのは、在宅医療である看護と介護のスタッフが密接に連携し、取り組んだ成果です。もちろん「最期まで自宅で看病したい」と願う家族の協力も大きかったと思います。
 誰もがいつまでも住み慣れた地域で暮らし続けたいと望んでいます。改めて、地域包括ケアシステムの重要性を実感しました。


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