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こんな時どうしたら

〈第28回〉すい臓がん患い入院中の88歳 特養でのみとりを希望

新潟日報

2018年12月22日


意向を尊重 体制づくりへ
医療と介護 情報共有

 夫に先立たれ、1人暮らしをしていた女性Bさん(88)は数年前に認知症を発症。グループホームを経て、当時、開所したばかりの特別養護老人ホーム(特養)に入所し、平穏な生活を送っていました。

今回、吐き気や発熱といった症状を訴え、当院に入院したBさん。その数カ月前に入院した際、すい臓がんと診断されていました。高齢のため手術はせず、点滴以外の積極的な治療も行いませんでした。担当医は「以前に比べ症状はかなり深刻であり、回復した上で退院するのは難しい」と考えていました。
弱気になったBさんは病室で「特養に戻り、最期を迎えたい」ともらしました。本人の病状を考慮すると、一刻も早い調整が必要です。家族や特養のスタッフに相談したところ、「できるだけ本人の意向を尊重したい」と了承してもらいました。医療と介護の現場が連携を図りながら、特養でのみとりへ向け、体制を整えることになりました。
一般的に病院などが実施する住民向けのアンケートでは、「長年住み慣れた自宅で最期を迎えたい」と希望する人が半数以上を占めます。ただ、実際は家族の負担もあり、病院で息を引き取る人が多いようです。
もちろん、人によっては自宅ではなく、施設でのみとりを希望する方もいます。特養側から話を聞くと、Bさんにとって施設のスタッフは家族同然の存在であり、自宅以上に居心地が良かったことが分かりました。
Bさんの容体が日に日に悪化したため、病院では痛み止めの麻薬を、使うようになりました。麻薬の管理方法を施設に伝えるなど相互に情報を共有し、特養側も受け入れへ向けた準備を進めていました。

退院の日が目前に迫る中、残念ながらBさんは病院で亡くなりました。「特養に戻りたい」という本人の願いは、かなえることはできませんでした。


ささえ~る+アドバイザー
岩淵英理さん

(豊栄病院医療ソーシャルワーカー)



本人が望む「最期の場所」
施設の体制、事前に確認を
 長年暮らしてきた自宅ではなく、「施設で最期を迎えたい」と願う人もいます。スタッフの温かい対応や入所者同士の結びつき、過ごしてきた年月などを通し、施設が自宅のような存在になることもあります。
近年、施設でのみとりが介護報酬に加算されました。今回のBさんが望んだ特別養護老人ホーム(特養)のように、体制が整ったところがある半面、不十分な施設も決して少なくありません。
みとりに対する各施設の考え方や体制を事前に知っておくのも良いでしょう。病院としても、できるだけ本人の希望がかなえられるよう、お手伝いをしたいと思います。


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