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担い手たずねて

〈第9回〉ショートステイなじょも (新潟市東区上木戸5)

2017年4月3日



医療行為可能

 新潟医療生活協同組合が運営する「ショートステイなじょも」(新潟市東区上木戸5)は、医療依存度の高い利用者を多く受け入れている。要介護度の平均が3・8と特別養護老人ホームや介護老人保健施設に比べても高い。脳出血や脳こうそくの後遺症などにより、経鼻栄養や胃ろうの経管栄養、たんの吸引などを要する患者らだ。

 これらの対応は医療行為にあたり、看護師のほかは、「喀痰(かくたん)吸引等第1号研修」を修了したわずかな介護職員らしかできないため、受け入れる施設が少ないのが現状という。なじょも管理者の沖村雄行さん(33)は「退院先が見つからず、家族負担の重い在宅療養と病院との往復になりがち」と指摘する。

 なじょもは全国的にも珍しい看護師(非常勤2人含む8人)の24時間配置に加え、常勤介護福祉士11人のうち7人が第1号研修修了者という手厚い体制を敷く。沖村さんは「当医療生協は『断らない介護』を掲げており、本人と家族が安心できる砦(とりで)でありたい」と語る。

 職員の介護福祉士、菊池健太さん(36)、中井丈さん(35)は第1号研修を修了して1年半ほど。「体力が弱った人がたんを吐くのはすごく難儀なこと。命を預かる自覚を持って吸引でき、苦しむ時間を減らせる」「ナースともよく話し、医療の知識と利用者の状態や変化について考える幅が広がった」と話す。

 同登録研修機関(県内22機関)の一つでもある同医療生協は、他法人職員の実地研修受け入れに積極的だ。県内第1号研修認定者134人(2月1日現在)のうち、佐渡や上越など遠隔地を含む92人を送り出した。

 この日も介護老人保健施設大江山園(新潟市江南区)の介護福祉士、伊藤大志さん(38)が実地研修中だった。

 研修講師でなじょも看護師の須藤裕さん(48)からチェックを受けながら、個別に医師の指示書を確認して聴診器をあて、経管栄養をした。「初めは吸引で傷付けてしまわないかと怖い思いもあったが、指導を受けて仕事の意識も変わった。常に注意深く観察する大切さを見直すことができた」と感謝する。

 須藤さんは「経管栄養もできる介護福祉士が増えれば、要介護度の高い人と家族の大きな安心と支えになる。多くの人を育てて地域社会に貢献したい」と強調した。






ショートステイなじょも看護師

須藤 裕さん





研修修了し勇気と自信

 介護福祉士は医療側と、要介護者、家族の間に立ち大きな責任を担っています。医療知識を学んだ第1号研修の修了者は、患者の顔色や皮膚などの変化にいち早く気付き、頭の中でシミュレーションできるなど、大きく成長します。医師や看護師と同じように喀痰吸引や経管栄養ができるようになることで、より仕事に勇気と自信を持ってくれるようです。

 専門職の一員としての自覚、自信は看護師らとの積極的な連携、地域包括ケアシステムの推進にもつながります。在宅療養では24時間介護で困っている家族が多くいます。医師の指示を受けた介護福祉士による在宅訪問や、施設での医療的ケアが今後ますます求められるでしょう。

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