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ささえ~る+番外編㊤パネルトーク

「地域包括ケアシステム構築に向けた多職種連携の取り組みと課題」

2017年5月29日


【パネリスト】




新潟県医師会副会長 

吉沢浩志氏








済生会新潟第二病院地域連携福祉センター

副センター長、

新潟市医師会在宅医療推進室室長 

斎川克之氏






豊栄病院福祉連携センター

患者総合支援センター

主任・医療ソーシャルワーカー

岩淵英理氏




【コーディネーター】新潟日報社論説編集委員  阿曽晋


医療・介護「ご当地」体制を

 県内の医療、介護関係者の連携戦略をテーマにした「にいがたヘルスケアフォーラム(主催第四銀行)」が今月、新潟市中央区の新潟日報メディアシップで開かれた。第2部のささえ~る+パネルトーク「地域包括ケアシステム構築に向けた多職種連携の取り組みと課題」の内容を、ささえ~る+番外編として前後編に分けて連載する。


 ―多職種連携の必要性と各自の取り組みについて教えてください。


住みたい地域に 吉沢

 地域包括ケアでは「地域づくり」が重要な言葉。それぞれ実情が異なる地域に合わせた「ご当地システム」にしなければなりません。住み慣れた地域で人生の最期まで、切れ目ない医療・介護サービスを受けられる体制です。

 介護保険制度改正の地域支援事業で大きな目玉となったのが「在宅医療・介護連携の推進」です。8つの事業のうちいくつかは行政から医師会への委託が可能なため、県内16郡市医師会のうち12医師会に地域在宅医療推進センターが設けられ、本年度中にあと3医師会にも設置されます。それらをサポートするのが県医師会内の在宅医療推進センター。郡市医師会、市町村、県と協力しネットワークづくりを進めます。

 2018年は「診療・介護報酬同時改定」「地域医療計画・介護保険事業(支援)計画」「国民健康保険の都道府県化」などが同時にスタートする年で「惑星直列」と表現する人もいるほど。今年はそれらの整合性を保った計画づくりの重要な年で、県や市町村が横断的に取り組む必要があります。

 医療・介護連携で大事なのは関係者だけでなく、住民自らが住みたい地域づくりに取り組むこと。若者に魅力的な職場、新たな地域興し産業を生み出せれば、これから高齢社会を迎えるアジアのモデルにもなり得ます。


有志ネット土台 斎川

 新潟市は市医師会とタッグを組み、全国の中でも早くから在宅医療・介護連携事業に取り組んできました。現在市内8区11カ所にある在宅医療・介護連携ステーションを担うのは病院10カ所と診療所1カ所で、それらを統括するセンターは市医師会にあります。これらの医療機関は全て、現在20カ所ある地域の有志で作った在宅医療ネットワークを後押しし、いずれかの事務局を務めてきた経緯があります。

 住民の相談を受け、支援をする最も重要な窓口は地域にしっかり根付いた地域包括支援センターであり、連携センターとステーションはその仕組みを下から支える役割です。

 関係機関からの相談はケアマネージャーからが多く、訪問診療可能な医師などについての情報提供依頼や、困難ケースの相談といった医療ニーズへの対応が全体の6割を占めます。


顔見える関係へ 岩淵

 11あるステーションの一つ、北区は豊栄病院が事務局で、医療ソーシャルワーカーと看護師のほか、地域の医療データを読み取る事務員も配置。「麻薬を扱う開業医はいますか」など各専門職からの相談に答えます。

 専門職向けに開く「ご当地研修会」では、医療と介護の現場では同じ用語でも解釈に違いがあると分かりました。こうした具体的な課題に取り組みます。

 先ほど紹介のあった地域在宅医療ネットワークの一つ「北区医療と介護のささえあいネット(略称ござれやネット)」と共催した多職種連携事業「元気塾」もあります。皮膚科医師が皮膚の病気について、耳鼻科の医師がめまいの診断と治療についてなど「在宅医療に役立つ知識と技術連続講座」を開きました。薬剤師や訪問看護師、リハビリ療法士らパラメディカルの連続講座も。互いに「顔の見える関係」づくりにつなげています。

 地域包括ケアは高齢者だけが対象ではありません。本年度は幅広い対象へ情報提供するために、社会福祉協議会や教育センター、障がい分野などとの連携を図っていきます。


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