医療・介護・健康領域の専門家によるウェルネス応援サイト【新潟日報|ささえ〜る

担い手たずねて

〈第12回〉老人デイサービスセンター味方 (新潟市南区味方)

2017年6月15日



障がい児・者も受け入れ共生

キーボード付きの桐箱に寝そべりほほえむ子がいた。目と耳が不自由だが桐箱内のスピーカーの鳴動による揺れを楽しむ。よくかわいがってくれるおばあちゃんの印は、歩行器に付けた木彫のフクロウ。握らせるとうれしそうな顔になり、周りにも笑みを広げる。

 新潟市社会福祉協議会が運営する老人デイサービスセンター味方(新潟市南区味方、定員40人)は、施設改修後の2015年7月から障がい児・者を受け入れた。改修したスペースは「なちゅらる」。高齢者も若い人も障がいのある人もない人も共に生きる居場所として名付けた。夏休みは地元児童たちの遊び場、住民の食事会場にもなる。

 なちゅらるに置かれた桐箱「ズンズン」は、子どもが特別支援学校時代になじんだと聞いた大屋守センター長(35)らが現物を見て、日曜大工の心得がある高齢の利用者と手作りした。

 母親は「環境にとけ込めるか不安が大きかったが、本人の安定につながるよう受け入れてもらえた」と感謝する。

 お年寄りの利用者が互いの手助けをする場面も日常風景だ。食事の介助や下膳、洗濯、ドライヤー。段取りよく調理する女性や、「歩くのは難儀だけど畑はできる」という男性。大屋センター長は「要介護認定を受けていても、できることはたくさんある。ここでその力を引き出したい」と力を込める。

 ボランティアの参加も施設を活気付ける。平日週1度の「リズム遊び」は利用者の楽しみだ。指導するのは末﨑美子さん(69)と笹川似美子さん(67)、山崎秀佐子さん(61)の「シスターズ」。キーボードの生演奏やCDに合わせ、童謡や懐メロの歌声を引き出し、利用者との軽妙な掛け合いやトークで沸かせる。

 利用者は歌いながら手に持った鳴子を打ち鳴らし、上半身を揺らして楽しむ。「ボランティアが生活の張り合いになる」と3人も口をそろえる。

 月に1度の昼食会「いどばたまんま」は、利用者とボランティア、住民が触れ合う恒例行事に育った。郷土料理の「煮菜」や今風メニューなどバラエティーに富む調理には、腕に覚えのある誰もが参加。口コミで参加者が増えている。

 大屋センター長は「どんな人でも通えて、能力を発揮し、共に生きる場であると発信し続けたい。気軽に足を運んでほしい」と話した。







老人デイサービスセンター味方

大屋 守センター長





介護の質向上も実感

 障がい児・者の受け入れ施設は少なく、共生型のデイサービスが今後求められます。当センターは看護師5人、社会福祉士含め生活相談員5人、調理員2人と手厚くしています。

 重度障がい者の受け入れにはより専門的な設備と技術が必要です。職員は障がいの特性について、より詳しい家族から積極的にアドバイスを受けながら学びました。それが高齢者に対しても、より一人一人の特性に沿った介護をできることにつながり、介護の質が向上したと実感しています。

 夏休みには地元の子どもたちがなちゅらるで遊び、利用者と触れ合い、福祉体験学習をする機会もあります。将来の介護の担い手が出てほしいですね。

みんなのコメント

0

この記事に関するみなさんのご意見をお寄せください。
なお、投稿されたコメントは管理者の承認の後に掲載されます。 悪意ある投稿・誹謗中傷、営業目的などのコメントの掲載は 承認されないことがございますので予めご了承ください。

新しいコメントを投稿する

お名前
タイトル
コメント
1000文字以内で入力してください。
認証

投稿されたコメント 0

コメントはありません