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担い手たずねて

〈第14回〉ケアライフ訪問看護リハビリステーション (新潟市西区小針南台)

2017年7月31日



 左半身にまひが残る風間宏さん(54)=新潟市中央区=は強風の中、バランスを取りながら慎重に歩く。6車線ある国道の横断歩道を渡り切る直前、信号が赤に変わった。傍らで見守った理学療法士で認定訪問療法士の三村健さん(53)は「風やちょっとした傾き、段差が相当なバリアになる」と説明する。約1時間、自宅周辺を歩く訓練をした。

 三村さんはケアライフ新潟が運営するケアライフ訪問看護リハビリステーション(新潟市西区小針南台)の管理者代理。日本訪問リハビリテーション協会の理事も務める。訪問リハビリについて、「体が不自由になりできるはずのことができず、孤独や無力感にさいなまれる人をフォローし、前向きにするのが大きなテーマ」といい、「オーダーメードのリハビリ学校への入学」に例える。

 風間さんは8年前、脳卒中で倒れ半年間入院。要支援2の認定を受け、自宅に戻ってから週1回、訪問リハビリを始めた。最初は4点づえで自宅周辺を歩き、課題を一緒に解決。喫茶店やカラオケ店、ポット持参で公園へと、目標を順次引き上げた。自主トレーニング中に出会う友人が驚くほど回復し、居酒屋で一緒に楽しむほどになった。

 「そろそろ仕事する可能性を考えてみましょうよ」。2年前、三村さんが掛けた一言が就労を決意する「スイッチを入れた」。リハビリに特化したデイサービスのスタッフとの訓練や、長女の励ましも背中を押した。

 就労トレーニング施設にはバスで通う必要があり、車両によってステップの段差が異なるバスの乗り降りを繰り返した。天候に関係なく歩けるよう冬の降雪時も訓練。この春から、つえも使わなくなり、傘をさすことができるなど行動の幅が広がった。

 発症直後は寝たきりや車椅子生活を覚悟した風間さん。今では人にあたっても転ばないよう気を付けるなどアクシデントにも強くなった。「親身に助けてくれる人たちに巡り会え、努力を覚えた。公園のベンチまで歩き、コーヒーを飲むだけで幸せを感じる。病気になって悪いことばかりではなかった」と振り返る。

 就労訓練が始まるため、訪問リハビリは月1回となる。三村さんは「それぞれの人生を再建する手伝いをできることが、この仕事のやりがい。今日は風間さんの卒業式」としみじみ語った。





ケアライフ訪問看護リハビリステーション
管理者代理 三村健さん



潜在能力を引き出す

 体が不自由になった後、住み慣れた地域、自宅で暮らすための支援には、訪問リハビリが適しています。生活環境は一人ずつ違いますから、オーダーメードの指導が必要なのです。

 脳卒中や筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病の方々を担当。末期がんの方でも在宅でご家族と過ごせるよう支援することもあります。1日に4、5件を訪問します。

 その方の人生や生活に直接関われますし、楽しみや目的を持って生きる方法を一緒に考え、具体的にお手伝いする仕事だと思っています。その方の持つ潜在能力を引き出せるのもやりがいです。介護保険分野の訪問リハビリはマンパワーが不十分です。従事する人がもっと増えてほしいですね。

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