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担い手たずねて

〈第15回〉シェアハウス長善 (燕市粟生津)

おとなプラス 毎月第1土曜 掲載

2017年8月7日



互いを尊重、低料金の共同生活


 10畳ほどのリビング・キッチンのテーブルを女性たちが囲んだ。77~85歳の4人は、昨年6月に開設したシェアハウス長善(燕市粟生津)の入居者たち。順次事前に顔を合わせる「お見合い」をして、互いを尊重する共同生活に入った。

 意外なことに全員が集まることはそれほど多くないという。共有スペースのフロアやトイレの掃除、ゴミ出し当番、消耗品補充などのルールを決める時ぐらいだ。

 週2~3回、別々のデイサービスに通ったり、退院から間もないため3食宅配を頼んでいたり。自家用車でフィットネスクラブに通う人もいる。それぞれの生活パターンがあり、キッチンで順に自炊した食事もそれぞれの個室で取るという。

 「好きな時に一人になれるし、互いに抱えるプライバシーには立ち入らない」「時々鍋をのぞかせてもらって」「話すのが刺激になるのもいいよね」。互いの気配を感じ合い、孤立感のない暮らしを語り合った。

 運営するのは社会福祉法人「吉田福祉会」で、木造平屋建ての男性用「松」と女性用「梅」の2棟(定員各4人)。家賃月額2万円(生活保護受給者などは2千円減免)、水道光熱費1万3千円と低料金だ。

 吉田福祉会は旧吉田町圏域の高齢者が多く域外に転出している状況に気付き、特別養護老人ホーム待機者や小規模多機能センター利用者を対象に、どんな住まいが必要かを調査。個室のほかは共用でも家賃3万円程という安さを求める声が圧倒的だった。

 小規模多機能センター長善のさと、グループホーム長善のさとに隣接するが、シェアハウス自体には全くサービスが入らない。実際、入居者7人のうち同法人のサービス利用者は3人のみ。それでも施設を含めた交流にも気を配り、ご近所からナスやトマトが差し入れられることもある。

 星井勝博常務理事(51)は「地域包括ケアといいながら、住まいの課題という穴が空いていた。社会福祉法人の地域貢献事業としての新たな試みだ」と話す。

 7月の吉田まつりでは、長善のさとへ巡行した山車から民謡が、広場ではよさこい踊りも披露された。シェアハウスの入居者も大勢に交じって手拍子。駆け寄った顔なじみとは「久し振りらね」と笑顔で握手していた。







吉田福祉会業務執行理事

中野弘行さん




サービスは提供せず


 シェアハウス長善は、1人暮らしの不安な方々が共同で利用する1軒の住宅です。互いに異なる人間性を認め合い、調和した生活を送る理念に賛同する方が入居できます。

 私はいわば大家として暮らしの環境を整えますが、サービスはしません。それでも入居者同士が見守り見守られる中で、トイレでの転倒やベッドからの転落に気付き、隣接する長善のさとの職員に助けを求めることもあります。また、地域のスーパーが週1回「御用聞き」にきて入居者に食材などを配達してくれます。ありがたいですね。

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