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担い手たずねて

〈第22回〉佐渡ひまわり基金法律事務所 (佐渡市河原田諏訪町)

2018年6月2日



「佐渡モデル」市民後見人養成

 65歳以上の住民が占める割合が40・8%(31日現在)に上る佐渡市。判断能力が不十分な高齢者や障害のある人の権利と利益を守る「成年後見制度」の普及を進めている。弁護士など専門職が積極的に後見人を担うほか、「市民後見人」を養成してサポートする仕組みを各機関が協力してつくり上げたプロセスが「佐渡モデル」として注目を集めている。
5月末、島内の弁護士、司法書士、市社会福祉課、成年後見センターの担当者らが、同市の金井コミュニティセンターに集まった。会では市民への成年後見制度普及啓発の方法など、情報交換をした。
情報交換会は定期的に開かれており、佐渡ひまわり基金法律事務所=同市河原田諏訪町=の伝田真梨絵所長(33)は「制度の普及は、1人でできることではない」と連携の大切さを語る。
伝田所長は、島内に住む13人の高齢者、障害がある人の保佐・後見を担当。「できる限り希望に沿いながら、財産を管理している」と語る。
後見人の業務は多岐にわたる。在宅の高齢者の場合では、ケアマネジャーと連携し、見守り態勢を構築。通院を手配し、日常生活に使う小遣いも手渡しする。病院の指示で急きょエアコンを購入するケースもある。
「後見人がいるといないとでは、本人の表情や安心感が違う。介護費用など、必要な費用がきちんと支払われることで、支援側にも安心感が生まれている」(伝田所長)
島内では、養成講座を受けた市民16人が家庭裁判所から選任され、後見人として活動中だ。島内には専門職が少なく、後見人の受け皿が限られる。法テラス佐渡法律事務所に13年まで赴任していた水島俊彦弁護士(36)が呼び掛け、社協に「成年後見センター」を12年に設立、養成を始めた。県内初の「市民後見人」となった同市の長谷川英夫さん(68)は、週1回は面会し、細やかな後見業務を続けている。「分からない点は成年後見センターを訪ねるなどして、その都度解消している」と語る。
伝田所長も養成講座の講師を務め助言する。「地理的に他地域の専門職に頼るのは現実的ではない。『佐渡で佐渡を支える』仕組みをつくることができれば」と話した。



弁護士

伝田真梨絵さん



壁に当たったら相談を

 佐渡では、家族が島外にいるお年寄りが多いと感じています。コミュニティーでの支え合いもありますが、財産の管理までは難しい。判断力が不十分になると同時に、DVや家族との紛争を抱えているなど、専門職の介入が必要な案件もあります。
ただ、制度を必要とする人は潜在的に多く、市民後見人の養成を続けることで、制度の普及を進められると思います。市民後見人は原則として1人1件を担当します。壁に当たってしまった時には、家庭裁判所の裁判官や、弁護士、司法書士などとの座談会や、専門職バンクなど、相談機関を積極的に利用してもらいたいです。

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