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担い手たずねて

〈第23回〉スマイル歯科おざき(新潟市東区中山6)

新潟日報

2018年7月7日


口の悩み解消、食の楽しみ支援

 「好きな物を召し上がれていますか」。歯科医の尾崎康子さん(55)が新潟市中央区二葉町1の民家を1カ月ぶりに診療に訪れた。座椅子に座って出迎えた石井トリさん(96)は、入れ歯の不具合を訴えた。

 尾崎さんは歯のかみ合わせを確かめながら、歯を少しずつ削って調整。診療は30分ほどで終わった。石井さんは「具合が良くなった。この年で自分で食べられるのは幸せ」と笑顔を見せた。
 石井さんは介護保険制度の要介護4。足腰が悪く通院が難しいため、6年前から訪問歯科診療を受けている。同居する長女(66)は「入れ歯が合わないと、食事も大変。通院の場合はタクシーで一緒に行かなければならず、家まで来てくれるのは助かる」と感謝する。尾崎さんは「訪問診療によって、要介護者の生活の質の向上と介護者の負担軽減を目指している」と話す。
 尾崎さんが勤務する「スマイル歯科おざき」(新潟市東区)は2001年に開業。最初は外来だけだったが、弟で院長を務める豊実さん(49)と2人で、父親の終末期を在宅で歯科治療したことをきっかけに、訪問歯科を05年に始めた。
 訪問歯科は歯科医2人、歯科助手2人が担当。往診車2台で回る。訪問するのは診療所から半径16㌔以内。新潟市東区、中央区を中心に、北区や江南区にも患者がいる。休診日を除く毎日診療に出向き、この日は民家と施設で計9軒回った。
 治療は入れ歯の作製や修理のほか、虫歯や歯周病の治療から、誤嚥(ごえん)性肺炎を防ぐ口腔(こうくう)ケア、摂食・嚥下(えんげ)障害にも対応する。
 当初は市内にも訪問歯科が少なく手探りで始めたが、患者やケアマネジャーからの信頼を積み重ね、依頼の連絡が来るようになった。
 これまで連携してきた看護師、薬剤師、栄養士、言語聴覚士らが在宅要介護者の食支援をするグループ「にいがた地域食支援ネット」を2年前に設立。代表を務める尾崎さんは「住み慣れた地で安心安全にお口で食べることを維持しつつ、食を楽しんでもらうお手伝いをしていきたい」と話す。




スマイル歯科 おざき訪問診療担当歯科医師
尾崎康子さん




健康で安全な食生活を 

 訪問歯科に従事して9年。これまでに終末期で呼吸困難な患者さまの口腔ケアや「出血が止まらないので急患で来てほしい」など、時には緊迫した場面に遭遇することもありました。厳しい在宅医療の現場を目の当たりにするのも訪問診療の試練です。
 今日まで続けて来られたのは、患者さんをはじめ、ご家族や介護の方々からの感謝のお言葉と笑顔に支えられてきたからに他ありません。さまざまな他職種の方々と知り合い、連携・協働することで、多くの症例を経験させていただきました。私はこれからも、地域の人々が健康で楽しく安全な食生活を送ることができるよう、支援を続けていきたいです。


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