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新潟県内8ヶ所 認知症疾患医療センターの役割

[第3回]認知症コメディカル・インタビュー①

医療法人 新成医会 みどり病院 認知症疾患医療センター 医療相談員 精神保健福祉士 阿部 由美子さん

2015年12月15日

医療分野の専門家で組織する「認知症疾患医療センター」

認知症の方とそのご家族が、住み慣れた地域で安心して生活できるための支援機関のひとつです。同じ目的で地域包括支援センターや、実際の介護を行う施設はありますが、認知症疾患医療センターは、医療の視点で認知症を鑑別診断し対応ができるところが一番の違いです。都道府県や指定都市が、医療施設を指定することで認可され、施設の規模や役割によって〈基幹型〉〈地域型〉〈診療所型〉に区別されます。現在、新潟県には地域型7施設、診療所型1施設があります。

認知症疾患医療センター〈地域型〉を構成する人員は、専門医・臨床心理士・精神保健福祉士・保健師等・と決められていますが、当センターでは、幅広い相談や事象に対応できるようにと、さらに介護福祉士を配置しています。当センターで実際に何をしているかというと、「専門医療」「医療相談」「連携の推進」「研修の実施など情報発信」「認知症予防」があります。


認知症疾患医療センター「みどり病院」の業務内容

  • 専門医療
    認知症の状態を鑑別・治療方針の選定、身体合併症や行動・心理症状(BPSD)への対応
  • 専門医療相談療
    認知症に関する相談、制度やサービスの紹介、各関係機関との連絡・調整
  • 連携の推進
    潟市認知症連携懇話会の開催
  • 研修の実施など情報発信
    認知症に関する啓蒙活動・各種研修の開催、認知症家族教室の開催
  • 認知症予防
    認知症予防プログラムの実施

※当センターでの業務内容です。国から定められた認知症疾患医療センターの業務内容の場合はこちらとなります。
●専門医療…鑑別診断とそれに基づく初期対応、行動心理症状や身体合併症への対応
●専門医療相談…認知症に関する相談、制度やサービスの紹介、各関係機関との連携連絡・調整
●保健医療関係者等への研修会の開催…認知症に関する知識向上を図るための研修を実施
●認知症疾患医療連携協議会の開催…地域の保健医療、福祉、介護関係者などによる、ネットワーク構築に向けた検討会
●情報発信…認知症に関する情報の発信


多職種連携は、患者さんの目標達成のためのものです

認知症の支援には、切れ目の無い適切な医療、介護の支援体制を構築することが必要と考えます。そのためにも保健医療、福祉、介護、地域の人など認知症に関る全ての人が連携をしていかなければなりません。
連携の目的は、本人や家族が求めているニーズや目標に対して、いかに早く達成できるかということだと考えます。様々な専門分野が知恵を出し合い、患者さんが、より暮らしやすくなるために、一緒に取り組んで行くチームであるべきと考え、取り組んでいます。


かかりつけのお医者様から、認知症疾病医療センターへ

地域で安心して暮らすためには、早期発見が第一。そのためには、普段の様子を知っている家族や地域の目が何より大切です。新潟市では、新潟市認知症連携システムというのがあり、認知症治療の連携が整備されています。

いつもと違うなと感じたら、かかりつけの医院に相談するところから始まり、そこから認知症専門医につながっていきます。認知症は、人によって症状の現れ方は様々なため、やはり身体状態を含めた普段の様子を知っている医師や家族の気づきが大切になります。そういった意味で、身近なかかりつけのお医者様の存在は重要ですね。



軽度の認知症の方が通える「場」の提供

認知症疾患医療センターの精神保健福祉士として、日々の仕事の中で感じることは、多くの方が認知症への関心が高まり、専門病院へ受診するまでの期間が短くなったということです。一方で、認知症への正しい理解がなされず、認知症のイメージがひとり歩きしているように思うことも少なくありません。

認知症は個人によって症状に差はありますし、初期から重度までいくつもの段階があるものなのです。「認知症になった、何もわからない、それは大変もうだめだ」と、本人ができることなどが置き去りにされたまま急激に周囲から重い病気と思われてしまう事に違和感があります。初期の方は、ほんの少しの工夫でこれまでと同じ日常生活を送ることも、まだまだ出来ることもたくさんあります。その段階で、いかに早く進行を遅らせるため、あるいは予防のために通える場所がたくさん出来ればいいなと思っています。

当院では、合唱サークル、美術教室、学習教室、地域の集いの場としてのカフェなど軽度の方や予防を目的にした活動を行っています。地域でも介護保険利用対象前の方への取り組みは、少しずつ増えています。どこでどんなことが行われているのか、みなさんがいつでもわかるように、一覧みたいなものがあるといいですね。


これからの認知症を支えるのは、地域の力

今後、さらなる高齢化に伴う認知症の増加、核家族化や少子化による介護の担い手不足が懸念されていますが、住み慣れた地域で安心して生活するためには、「認知症になっても安心して暮らせるまちづくり」を進めていかなければなりません。
最近では、地域住民が認知症を理解したいと、自治会から講師の依頼を受けることも増えています。また、認知症の方にどのように対応したらいいのかと、地域で検討会を行うなど、積極的に地域づくりが進められている所もあります。

子供から大人まで、誰もが地域の一員として、積極的に地域づくりに取り組んでいく必要があります。今後は認知症の理解を深めるためにも、地域で育っている小学生の頃から、学べる機会を提供する取り組みも必要だと思っています。認知症疾患医療センターの大切な役割として、地域の方と共に「認知症になっても安心して暮らせるまちづくり」に努めていきたいと思います。

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