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今からできる認知症予防のヒント

[第4回]

医療法人 新成医会 総合リハビリテーションセンター・みどり病院 認知症疾患医療センター長 成瀬 聡 院長

2016年1月4日

アルツハイマー型認知症を防ぐキーワードは「生活習慣病」

アルツハイマーなど認知症を防ぐために、特に気をつけたいのは糖尿病です。糖尿病でない人に比べると2倍くらい罹りやすいと言われています。後は、脳に影響する喫煙です。途中で止めるだけで危険性が下がるので禁煙をすすめます。また、高血圧、高コレステロールの値に気を配るのも大切です。検診や人間ドックでわかることなので受けて、コントロールして欲しいですね。生活習慣病とアルツハイマー型認知症の関係がわかってきたのは最近のことなので、まだあまり知られていませんが、生活習慣病治療が一番有効なアルツハイマー型認知症予防法になるので重要です。


1.軽い運動

週3回以上30分以上程度歩くウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動が、一番予防率が高い方法として確立しています。早足でなるべく長い距離を歩く、あるいは軽いジョギング程度が良いでしょう。

2.肉より魚、野菜を多く摂る

最近わかってきたことですが、地中海料理が良いと言われています。オリーブオイルを使い、豆など穀類、魚料理が多いのが特徴です。欧米ではチーズなど乳製品を控える傾向がありますが、日本人の食生活を考えた場合は、乳製品を摂った方が認知症になりにくいという調査結果もあります。ひと言でこれがいいというものはありませんが、肉より魚、野菜をバランス良く食べるのがいいと思います。特に、若い頃にこの食習慣を心がけるべきです。高齢になると、自然に肉を食べなくなりますが、逆に月に一度は豚肉・牛肉、週に一度は鶏肉、魚は毎日でも食べた方が良いですね。

3.社会生活への参加

家にこもりきりになるのは、認知症予防の観点からも体力的にも良いことではありません。会話は良い刺激になるので、ボランティアやサークルなど、集まって人と会話できる場に出かけ、社会生活に参加するというのが大切です。ただ、男性は、そういった場が苦手な人が圧倒的に多いですね。高齢男性の居場所つくりを、地域単位で何か講じていく必要があります。



長い老後をどう生きていくかを考えるのも終活

現代の医療では、認知症を治すことはできません。しかし、悪くなっていくスピードを遅くすることはできます。早め早めに認知症を見つけることで、行動・心理症状(BPSD)を防ぐことはできますが、やはり予防して認知症にならない努力をして欲しいものです。予防を目的にした環境の改善こそ急がれるべきです。


認知症を良く理解し、予防のために、若いうちから人が集う場所に出かけることが社会的常識になって欲しいですね。生きる楽しみを作っておくのがいいと思います。今後、介護保険制度が変わり、要支援や要介護1~2程度の取り組みは国から市町村に移行しますが、女性に比べ、人と関わるのが苦手でこもりがちになる高齢男性の居場所を、行政がいかに作っていくかに期待するところです。


10年後には認知症の人が700万人を超える時代になります。施設で暮らすのか、延命治療をどうするかなど、長い老後をどう生きたいかを、元気なうちに考えて周囲に伝えておくことも心がけてほしいですね。

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