医療・介護・健康領域の専門家によるウェルネス応援サイト【新潟日報|ささえ〜る

「オレンジの輪」おとなプラスシリーズⅠ(第2土曜日) 認知症・思いやりのケア

暴言・暴力の予防と対処

2018年3月12日

おとなプラスシリーズⅠ

新潟・認知症啓発キャンペーン

認知症・思いやりのケア⑦


暴言・暴力の予防と対処

不安理解し、大勢で見守り


 もの忘れ外来をしていて、認知症が進んできた患者さんの行動・心理症状で非常に気を付けているのが、「暴言・暴力」です。認知症になってもの忘れが増えてくるのは仕方がありませんが、暴言や暴力は極力避けるように介護・治療する必要があります。

 認知症の人は、以前とは違う自分に対して、漠然とした不安感や焦燥感(イライラ)を抱えています。このような状態で他人から怒られたり、攻められたり、バカにされたりすると、段々「自分は皆から嫌われている、自分なんていない方がいい」という被害妄想的な気分に包みこまれます。

 そんな気分の中で間違いを指摘されたり、説得されたりすると、抑えがきかなくなり、暴言や暴力が出てしまうのです。周囲の悪気のない言葉に敏感に反応して、逆上してしまうこともあります。

 このような暴言・暴力が出る背景を理解しておくことはとても重要です。怒りには必ず理由があるのです。本人の行動を分析してみましょう。家族が「急に暴言が出た」と感じているときにも実は、本人としては「いつも家族は自分のことをバカにしている」という思いが重なって、爆発したのかもしれませ。

 普段から認知症の本人が抱える不安や焦り、孤独感を理解し、寄り添って落ち着かせることが予防に大事なのです。

 また、暴言・暴力が出たときに責めたり抑えつけたりすると、さらにエスカレートしてしまいますから、つられずに落ち着きましょう。

 ただ、理屈は分かってもそこまで優しくできない、という場合も多いでしょう。対策の一つは、できる限りデイサービスやデイケアなどを利用すること。認知症の人が少しでも気分転換できるようにします。

 家では暴言・暴力があっても、他人にはとても丁寧に接する認知症の人も多くいます。できるだけ多くの人たちに見守ってもらう気持ちを持ちましょう。

 もう一つは薬物治療です。認知症になると、どうしても抑制がききにくくなります。それが、暴言・暴力につながる一因にもなっています。そのため薬物で少しでも怒りの気持ちを抑制しようという治療です。暴言・暴力を予防する薬物は沢山あります。

 しかし、同時に副作用も出る可能性があります。ポイントは、暴言・暴力が出そうになったらできるだけ早く医師と相談することです。早めに相談しておけば、副作用の少ない薬から使うことができます。暴言・暴力が激しくなってからの相談だと、強力な薬を出さざるを得なくなり、副作用も強くなってしまいます。暴言・暴力に関しても、「早期発見」が非常に大事になります。

みんなのコメント

0

この記事に関するみなさんのご意見をお寄せください。
なお、投稿されたコメントは管理者の承認の後に掲載されます。 悪意ある投稿・誹謗中傷、営業目的などのコメントの掲載は 承認されないことがございますので予めご了承ください。

新しいコメントを投稿する

お名前
タイトル
コメント
1000文字以内で入力してください。
認証

投稿されたコメント 0

コメントはありません