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「オレンジの輪」おとなプラスシリーズⅠ(第2土曜日) 認知症・思いやりのケア

ひとり歩き(徘徊)への対処 目的把握しそっと見守る

新潟日報

2018年4月14日

おとなプラスシリーズⅠ

新潟・認知症啓発キャンペーン

認知症・思いやりのケア⑧


ひとり歩き(徘徊)への対処

目的把握しそっと見守る


 認知症の人が歩き回ることを以前は「徘徊(はいかい)」と言いましたが、最近はこの言葉を使わず「ひとり歩き」とか「散歩」と言うようになりました。徘徊は「目的もなく歩き回ること」を指しますが、多くの認知症の人は目的があって歩き始めるからです。ただ、自分がどこに行こうとしていたか忘れたり、場所の観念が薄れるためどこにいるのかが分からなくなったりします。判断力の低下で人に道を聞くこともできなくなり迷ってしまうのです。

 認知症の人にとって、外出を制限されることは大変ストレスです。一方で、年間1万5千人もの認知症の人が行方不明になり、社会問題になっています。

 では、ひとり歩きにどう対応すればいいのでしょうか。まずは、本人がどのような気分でどこに行こうとしているのかを探ることが重要です。仕事に出掛けるのか、子どもの迎えに出ようとしているのか、本人の過去の生活習慣にさかのぼって考えましょう。できるなら本人と一緒に外に出てみるのがいいですね。それだけで本人の気持ちが落ち着くことがあります。

 そっと本人の後ろを歩いて危険のないように見守るのも良いでしょう。本人がたどる道順を把握しておくと、万が一の場合でも対応できます。順路にある店などに「この人を気に掛けて」「何かあったら家族に連絡してくれるとありがたい」と頼めるとなおいいですね。

 最近はGPS端末で本人の居場所を確認する手段もあり、安価で貸与してくれる市町村も出てきました。かばんに入れたり靴に埋め込んだり、違和感なく使えるようです。

 一方、ひとり歩きが頻繁で、家族に余裕がない場合も多いでしょう。そんな時、家族は焦って声を荒らげてしまいがちですが、冷静さを保つことが大事です。「お出掛けの服に着替えよう」「仕事に持っていくかばんを探そうか」などと関心をいったん他に向けると、気持ちが変わることもよくあります。

 玄関に鍵を掛けて出られなくするのは本人の気持ちを考えると勧められないのですが、事故の心配や家族の負担軽減のため、やむを得ない面もあります。必死に出口を探して窓から転落したケースもありましたので、十分注意してください。

 家の中のひとり歩きもあります。トイレの場所などが分からずに歩いているのです。できるだけその場所を目立たせるように工夫しましょう。家の中はたくさんのドアや部屋があって、認知症の人には分かりにくいものなのです。

 「誰かが来た」などの妄想が起こって家の中をひとり歩きする場合もあります。こうした妄想が強い場合には、薬剤で抑えることができることがあります。


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