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「オレンジの輪」おとなプラスシリーズⅠ(第2土曜日) 認知症・思いやりのケア

火の不始末への対処 安全性高い機器に更新を

新潟日報

2018年6月9日

おとなプラスシリーズⅠ

新潟・認知症啓発キャンペーン

認知症・思いやりのケア⑩


火の不始末への対処

安全性高い機器に更新を


 認知症の人にとって、時として命に関わる問題が「火の不始末」です。鍋の火の消し忘れや、ストーブに灯油を入れる際の不注意など火災になる危険性をはらんでおり、早めの対応が必要となります。

認知症の人が引き起こす火災の原因で最も多いのが、調理中のガスコンロです。本人は食事を作ろうと鍋を火にかけますが、やがて料理をしていること自体を忘れてしまうことがあります。「火を使う時は、キッチンから移動しないこと」などの張り紙は一定の効果はありますが、見えていても意識に入らず、その場を離れて戻ってこないこともよくあります。「1人で料理をさせない」という選択肢もありますが、本人の役割を奪ってしまうことになり、あまり好ましくありません。
それでは火の不始末をどう防ぐことができるでしょうか。まずは、安全な機器への切り替えを検討してください。最近のガスコンロには、さまざまな安全機能が付いています。一定時間経過すると火が消えるほか、天ぷら油などが高温になると危険を察知し、自動的に消火。煮こぼれや風で突発的に火が消えても、ガスが自動的に止まる機能があります。
また、電力で加熱するタイプのIH機器に買い換えるのも有効です。ガスコンロと違い、直接火を使わないため、火災のリスクが大幅に低減されます。特に少し物忘れがある程度の「軽度認知障害」(MCI)の人にはお勧めです。
ただ、認知症が徐々に進んでくると、IH機器は不都合が出てくる場合もあります。特に高齢者には「料理には火を使うもの」という思い込みがあり、火を使わないIH機器は長年の生活習慣になじまないからです。記憶障害のため新しいことをなかなか覚えられず、「ただボタンを押すだけ」という操作も難しいでしょう。その人の症状に合わせて、どの機器が適切なのか、よく考えましょう。
また、冬季の暖房器具も同様に注意が必要です。実際、火を付けたまま石油ストーブに灯油を入れ、火災になるケースが以前はよく見られました。現在は、ファンヒーターが主流となっており、動作中に灯油を入れられない構造となっています。ただ、吹き出し口に異物が入り火災になった事例もありましたから、十分に気を付けてください。
認知症の1人暮らしは増えています。火の不始末への心配から施設への入居を考える家族も多くいますが、地域で暮らしたいという本人の思いも尊重したいものです。まずは、安全な機器を上手に活用して心配を取り除くことをお勧めします。本人にとって、何が一番よい方法なのか、医療・介護の関係者とよく話し合ってください。



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