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「オレンジの輪」おとなプラスシリーズⅠ(第2土曜日) 認知症・思いやりのケア

排せつ・弄便への対処 トイレに目印失禁を防ぐ

新潟日報

2018年12月8日

おとなプラスシリーズⅠ
新潟・認知症啓発キャンペーン

認知症・思いやりのケア⑮


排せつ・弄便への対処
トイレに目印失禁を防ぐ

 認知症の人のケアで大きな問題となるのが排せつや、自分の便をもてあそぶ「弄便(ろうべん)」です。排せつは毎日のことであり、介護者にとって大きな負担となります。
認知症の症状が進行すると、自分がどこにいるのか分からなくなる「場所の見当識障害」が表れます。たとえ長年住み慣れた自宅であっても、トイレの場所を探している最中、失禁してしまうこともあります。
実際、何度もトイレに行く「頻尿」の高齢者は増えています。老化により膀胱(ぼうこう)の機能が低下する「過活動膀胱」なら薬剤で症状を和らげることができますが、認知症が原因の場合は、根本的な改善は難しいでしょう。
また、認知症の人は、尿意や便意を周囲に伝えることが困難なため、時として間に合わないこともあります。「トイレに行こうよ」と家族が勧めても「まだ大丈夫」と無理をして行きません。症状が進んでも「排せつは恥ずかしい行為」という気持ちが残っているからです。
排せつの問題で困らないためには、どうすればいいのでしょうか。自宅であれば、トイレの場所はできるだけ分かりやすくする必要があります。「トイレ」などの紙をドアに張り目印にしたり、夜間、明かりをつけたりするなど工夫してください。失禁を防ぐため、すぐに脱げる服を着るのも効果的です。
また、たとえ本人が口に出さなくても、相手のしぐさや様子で尿意や便意を感じ取ることはできます。人前でトイレに誘うなど無理強いは禁物ですが、頻尿の場合、何か別のことに意識を集中させ、気をそらす方法もあります。
一方、弄便は認知症の行動・心理症状の一つです。おむつや下着に漏らした本人が不快に感じ便を触るほか、自分で後始末をしようとすることが主な原因です。中には手に付いた便を口にする人もいて、介護する家族は大きなショックを受けます。
困惑する家族の気持ちも分かりますが、本人に怒っても何の解決にもなりません。何げなく手を拭いたり浴室に誘導したりするなどして清潔さを保つよう心掛けてください。
排便後は、できるだけ早く気付いてあげることが大切ですが、家族が常に付き添っているわけではありません。弄便の症状が出た場合には、介護保険サービスなどを利用し、専門職の力を借りてください。
現在、排尿や排便のタイミングを人工知能(AI)が判断し、知らせてくれるロボットが開発されています。技術がさらに「進化」すれば、将来、排せつの問題が解決するかもしれません。


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