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「オレンジの輪」おとなプラスシリーズⅠ(第2土曜日) 認知症・思いやりのケア

食欲減退(終末期)への対処 「何もしない」も選択肢に

新潟日報

2019年2月9日

おとなプラスシリーズⅠ

新潟・認知症啓発キャンペーン
認知症・思いやりのケア⑰


食欲減退(終末期)への対処

「何もしない」も選択肢に

 超高齢化時代を迎え、人生の最期をどう過ごすかは誰にとっても大きな問題です。それは認知症の人も変わりません。
 意外と知られていませんが、最近、認知症自体が引き起こすいろいろな症状によって亡くなるケースが増えています。医療や介護の質が向上することで、肺炎や心不全などの合併症のリスクが大幅に低減したためです。
 具体的には、認知症が進行するにつれ徐々に会話が減り、動作が緩慢になっていきます。寝ている時間が長くなるため、食事の量も減りやがて水分も補給できなくなります。そうなると体力は少しずつ衰えていきます。
 食欲が減退する原因は実にさまざまです。①認知症になると味覚が変わってしまい、昔のようにおいしいと感じられない②食欲を調節するホルモンの低下③飲み込む機能が衰え、食事が面倒になる―ことなどが挙げられます。
 日々の食事がスムーズにいかないと、本人だけでなく介護する人にとっても大きなストレスとなります。食べること自体を拒んだり、口に入れても食べ物をため込んで飲み込まなかったり。家族にとって悩みの種は尽きません。
 そのような状態になった時の対処方法は大きく二つに分かれます。
 まず一つ目の方法は「胃ろう」です。内視鏡(胃カメラ)を使い胃に穴を空けチューブを挿入。栄養剤や水分を直接、胃に流し込みます。約30分の手術で作ることができ、当面の間、命をつなぎます。
 しかし、時間の経過とともに認知症は進行するので、本人と意思疎通ができなくなっても、栄養や水分は体内に入り続けます。このため、逆流によって肺炎や心不全が起こりやすくなるといったデメリットもあります。
 これに対し、あえて何もせず、様子を見守るという選択肢もあります。食事の量が減ってきても、できるだけ本人の意思を尊重し、食べられるものだけを口にする。場合によっては栄養剤などを摂取し、体調を整えていきます。決して無理強いはさせません。
 食事を取れずにだんだんとやせ細っていくのは、家族にとって、とてもつらいことです。ただ、本人が苦しがることはほとんどなく、非常に穏やかな最期を迎えます。多様な意見があると思いますが、これが人生の最終地点の自然な姿なのかもしれません。
 仮に自分自身や家族が認知症となり、最終段階に至った時、皆さんはどちらの方法を選ぶのでしょうか。いざという時に備え、今から考え、家族とよく話し合うことも重要です。




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