医療・介護・健康領域の専門家によるウェルネス応援サイト【新潟日報|ささえ〜る

「オレンジの輪」おとなプラスシリーズⅡ(第3土曜日) 認知症・ともに歩こう

川瀬神経内科クリニック(三条市東本成寺)

2017年11月20日

おとなプラスシリーズⅡ

認知症・ともに歩こう④

ドキドキが脳活性化

役割も刺激、症状進行抑制




脳活性化プログラムの積み木落としで、「ピラミッド」が崩れた瞬間。参加者それぞれの感情が、豊かにあふれ出した=11月上旬、通所リハビリテーション施設「樫の森」(三条市東本成寺)


 お年寄りが順々に大小の積み木を重ねて三角形の壁「ピラミッド」を完成させた。「お見事!」と拍手した司会のスタッフが、今度は積み木を指で押し出し、壁を崩さず窓を開けるよう促した。「これからが皆さんの〝指の見せ所〟。90歳以上の人は3個落としてね」。

 どこを押そうか集中する人のそばで、盛り上げ役のスタッフが相撲の四股を踏んで壁を揺らすそぶり。すかさず参加者から「やめれてば」と注意が飛ぶ。積み木落としが4巡、5巡…ついに壁が音を立てて崩れると、大きな歓声が上がった。「おもしかったのぉ」「寿命が縮んだて」。参加者同士、自然に会話も弾みだした。

 これは川瀬神経内科クリニック(三条市東本成寺)の通所リハビリテーション施設「樫の森」が行う、認知症対応の脳活性化プログラムの一つ「럀童具(どう랙ぐ)」だ。

 「会員」と呼ぶ利用者がワクワク、ドキドキして楽しみ、互いにいい関係をつくるのが今回のテーマだ。症状が軽い人には積み木の出し入れや、重度の人の支えを頼む。カツラをかぶって場を沸かせる会員もいた。

 介護科の高橋芳雄科長(43)は「役割をお願いする言葉掛け一つでやる気が出る。認知症の人にも認められたい欲求があり、そこを刺激することで居心地のいい場所だと思ってもらえる」と語る。

 週1度通う女性(74)は「家で一人下向いてたってしょうがねぇねかて。ここにくればすぐに友だちができるんて」とうれしそうだ。

 プログラムは園芸や料理、芸術系など十種以上。川瀬康裕理事長(69)は①人とのつながりを取り戻しストレスが減少②楽しく頭を使うことでニューロン(神経細胞)ネットワークを形成・維持③脳全体の活動で脳血流が改善―の効果があると説明する。プログラム非利用者と比較した追跡調査では、認知機能が50%低下するまでの年数が非利用者の4・5年に対し利用者は8年だったという。

 川瀬理事長は「大事なことは、『あ』るく、『は』なす、『は』たらく、『あ』そぶの頭文字『あははあ』と覚えてほしい。アクティブな生活と薬物療法の組み合わせで、認知症の進行を遅らせることができる」と話した。



みんなのコメント

0

この記事に関するみなさんのご意見をお寄せください。
なお、投稿されたコメントは管理者の承認の後に掲載されます。 悪意ある投稿・誹謗中傷、営業目的などのコメントの掲載は 承認されないことがございますので予めご了承ください。

新しいコメントを投稿する

お名前
タイトル
コメント
1000文字以内で入力してください。
認証

投稿されたコメント 0

コメントはありません