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「オレンジの輪」おとなプラスシリーズⅡ(第3土曜日) 認知症・ともに歩こう

ちゅーりっぷ苑(胎内市)

新潟日報

2018年6月16日

となプラスシリーズⅡ

認知症・ともに歩こう⑩

観察評価でケア向上

利用者本位の介護追及


認知症の人の行動や状態を、マッパーが5分おきに観察して記録する「マッピング」=6月上旬、胎内市協和町

 認知症の人の視点に立ち、ケアの質を高める新しい取り組みが始まっている。本人の行動や状態、職員との関わりを5分ごとに観察・記録し、ケアを客観的に評価する手法が「認知症ケアマッピング」だ。

 6月上旬、胎内市の小規模多機能型居宅介護施設「ちゅーりっぷ苑・デイホームつばき」でマッピングが初めて行われた。マッピングは通常6時間行われるが、今回は2時間の短縮型。同苑のほか近隣から集まった4人のマッパー(記録者)が、2人1組で各2人の利用者を観察した。
 ホールでは利用者たちがおしゃべりをしたりテレビを見たり、思い思いに時間を過ごす。ある女性(81)は一人でじっと座り、お茶が入ったコップを何度も口に運んだ。周囲をきょろきょろ見回す様子もみられた。
 マッパーの一人、同苑副苑長の新野直紀さん(47)は、職員から女性は意思疎通を図りづらいと聞いていたが「手持ちぶさたなのか、人と関わりたいのか、邪魔されたくないのか。嫌な表情ではなかった。行動を分析すれば、もう少し本人の意欲が出てくるかもしれない」と振り返った。
 ちゅーりっぷ苑はデイホーム2カ所のほか、認知症グループホーム2カ所を運営。2004年の開設当初から、認知症ケアに力を入れてきた。利用者本人の立場に立った介護「パーソン・センタード・ケア」に2年前から本格的に取り組む。
 マッピングには職員の関わり方も記録する。足の爪切りが終わって靴下をはくとき、職員が「じゃ自分ではけるね」と何げなく声を掛けると、利用者は「はけるよ」と意欲を見せた。職員が黙って履かせてしまえば簡単だが、利用者の力を引き出していたと評価した。
 今後、記録を分析し、データを基にマッパーと職員が話し合い、ケア向上のための行動計画を立て実践する。同苑は3カ月後に同じ利用者でマッピングを行って比較する予定。新野さんは「マッピングで普段は見過ごしていたものが見えてくる。利用者がよりいい状態になれるケアのヒントを提供できるようにしたい」と期待を込めた。

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