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これからの福祉は多職種連携がキーワード

[第3回]

新潟市 地域包括支援センター あじかた 管理者/社会福祉士/主任介護支援専門員 小山 弓子さん

2016年1月4日

家族、地域で見守りたい、高齢者の暮らし

2025年には65歳以上の高齢者が、日本の人口の3割にまで増えます。いわゆる「2025年問題」です。今も十分ではないかもしれませんが、介護保険を使って何かしらの施設に入れるような現在の状況とは変わってくるはずです。そのために、国としても様々な施策を講じており、在宅介護を進めるという意味でも、地域包括支援センターへの期待を感じています。福祉・介護・医療・保健の連携がスムーズに行われるためのコーディネーター的な役割を担うところであると知っていただけたと思いますが、実際には、医療や行政との連携は始まったばかりという印象を受けています。幸いなことに、それぞれが危機感を持って取り組んでいるので、もう少し時間をかければ連携を強化していけるのではないかと思います。そういった状況を理解して、各家庭や地域で何が出来るかを考えておかなければなりません。


地域の絆を強めるために、支える意識を育てたい

地域の学校と連携するのも、ひとつの試みになるのではないかと思います。国の定める災害対策基本法には、災害時要援護者対策として、家族の援護が受けられない高齢者等の名簿を作成し、川の氾濫や地震などの災害時に介護サービス事業者以外にも、地域の自主防災組織や援護体制の整った自治会・町内会で避難を助けるように決められていますが、昼間は、仕事で出かけている人も多く高齢者しかいないという課題も残っています。
以前、大雪のため雪かきボランティアを有償で募集してもなかなか集まらず、地元高校の野球部に手伝ってもらったという事例をきいたことがあるのですが、そういった若い力を生かせないかなと思っています。高齢者の問題ではありますが、支える若い人の意識を育てていくためにも、「学校」がキーワードだと思って様々な働きかけをしています。認知症サポーター養成講座を高校で開くことが出来たのですが、支援の輪を広げていくためにも、総合学習や技術・家庭科、保健体育の授業に入れてもらえるように、行政の協力があればと思います。核家族化が進む中

、より小さいうちから高齢者に接する機会を持つことは、共助の心を育てることにも繋がるはずです。 登下校の時間帯に、家にいる高齢者が掃除や散歩などで外に出て見守る、子どもは登校のついでにゴミ出しを手伝うなどの取り組みが他地域でも始まっています。普段から関係があれば、非常時にも、近所のお年寄りの安否を確認する、といったことが出来るはずです。



地域包括支援センターが繋げる、福祉・介護、医療、行政の連携

国が目指す在宅介護に向けて、福祉・介護施設、保険制度等が整えられ、病院も早期に家に帰すような考えになってきています。いざ、家に戻っても様々な制度を利用して安心して暮らせるように環境を整えなければいけませんが、そのために、地域に暮らす方々に一番近い地域包括支援センターがあります。入院した場合は、医療ソーシャルワーカーが窓口となってセンターに繋いでくれますが、そうでない場合は役所、あるいは介護サービス事業所やケアマネジャーに直接問い合わせる場合などもあります。そこで地域包括支援センターを紹介されることもあるでしょう。また、例えば、税金が滞って税務課に相談にしたけれど、実は認知症のためだったとか、体調が悪かったり交通手段がないからどこにも相談に行けないなど、本来受けられる介護サービスを知らないままになる場合もあります。どんな困り事でも、些細なことでもまずは近くの地域包括支援センターに相談してほしいと思います。「高齢者の困りごとなんでも」とうたっているのは、そのためです。介護のことでなくても、相談事にあった然るべきところに繋げるのも地域包括支援センターの役割のひとつですから。


厚生労働省の2025年に向けた取り組みは、介護、福祉、医療、行政が連携して、高齢者を地域で包括的に支援するというもので、「地域包括ケアシステム」と呼ばれています。このシステムがスムーズに機能するように連携させる役割も地域包括支援センターにはあります。特に医療に関しては、訪問看護の夜間対応や夜間専門診療所や日曜日の診療なども地域によって始まってきているようです。地域包括支援センターが日頃から地域の皆さんと顔を合わせ、困りごとを抱えた方と地域包括支援センターを繋ぐ、より細かなネットワークができれば、認知症や病気の早期発見ができる可能性も高くなります。私たちも頑張りますので、地域包括支援センターが発信する情報に関心をもっていただけたら、と思います。

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