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医療ソーシャルワーカー 池田 祐希さん

[第5回] 未来の”キボウビト”ご紹介①

新潟白根総合病院 地域連携支援室 医療ソーシャルワーカー  池田 祐希さん

2016年3月1日

地域と多職種連携における医療ソーシャルワーカーの役割

患者さんに寄り添う、責任とやりがいある仕事

私は、医療ソーシャルワーカーとして、高齢や疾病により生活困難を抱えてしまった入院患者さんに退院後の生活が困らないよう、外来患者さんには入院せずに地域で生活が続けられるよう、サービスや支援制度の紹介をしています。どういう生活環境なのか、生活していく上で何を必要としているかを情報収集し、アセスメントしながら関係を築いていくのが大事だと思っているので、最初の面接を大切にしています。
入職して4年目になるのですが、1年目は本当にどうしていいかわからない状態でした。この仕事に就きたいと思っていましたが、学生の時は、社会福祉士資格を取得するための勉強に精一杯で具体的にはわかっていなかったと思います。「相談を受けたら、それに応え、一人で完結する」と思っていたのですが、実際に働いてからは、医師・看護師や他職種と密に関わり、輪を作っていかなければいけないものだと知りました。2年、3年と経験を重ねるうちに、目先の事しか見えなかったものが、先の事や患者さんの家族の事まで考えられるようになってきました。どこまで深く関われば良いかという迷いはありますが、『患者さんに寄り添う』という事に、責任やプレッシャーと共にやりがいを感じています。


ますます期待される、医療ソーシャルワーカーの役割

日々の業務で感じるのは、少子高齢化による家庭環境の変化、2025年に向けた地域包括ケアシステムの構築など、医療福祉の現場で様々な取り組みが始まり、ますます求められているということ。 私の勤務する新潟白根総合病院では、入院患者さん一人に、医療ソーシャルワーカーが一人担当として就くことになっています。「担当の池田です。何でも相談してください」と挨拶に行っても、それで終わってしまう事がほとんどでしたが、ある日、入院前に介護していた家族の不安を口にした患者さんに、家族の事も相談してもらっていいし、お手伝いできる事もあると伝えました。じっくりお話しを聞いた後に、すっきりしたのでこれで治療に専念できると言って、パッと表情が明るくなったのが印象的でした。

支援の内容は、退院後に帰っていく地域によっても違ってくるはずですから、患者さん一人ひとりの退院後の生活や、どんな地域に帰っていくかを知る必要性を感じています。それを最初に聞き出せるのは私達なのです。



「地域に目を向ける」意識が芽生えた、多職種連携の繋がり

新人は皆そうだと思いますが、1~2年目は、ゼロからのスタートで戸惑う事ばかり。そんな中、私は素晴らしい機会を与えてもらいました。一つは、日本社会福祉士会が主催するスーパービジョンモデル事業への参加です。これは、新人医療ソーシャルワーカーへの教育体制を整えるために始められた研修で、日々の振り返りや、様々な実例について、キャリアを積んだスーパーバイザーと一緒に考えていくものです。役割を十分に認識できず、何から始めればいいかわからなかった1年目の私にとって大変有意義な機会でした。

二つめは、「深める会」でファシリテーターを務めさせてもらったことです。医療、福祉、介護、行政、それぞれの立場のプロフェッショナルが集う多職種連携の中に、何もわからない私が参加するのは、とても緊張しましたが「地域を見る」という視点を実感出来て、良い刺激になりました。患者さんは退院して「地域」に戻っていきます。家族や生活環境、地域にある社会資源を知ること、あるいは支援する側の人を知ることは、医療ソーシャルワーカーとして必要な知識であるはず。「深める会」は、かしこまった感じではなく協力し合える雰囲気があります。
こういった信頼し合える繋がりがあって支援を作っていくのは、南区の一番の特長ではないでしょうか。

当院の医療ソーシャルワーカーチームが「深める会」の事務局になっていることは、私にとって恵まれた環境だと思います。病院の環境によって、アプローチの仕方に違いは出てくると思いますが、それでも医療ソーシャルワーカーは「地域」に目を向け、関わることが大切だと思います。



夢は医療ソーシャルワーカーの認知度が高くなること

色々な経験をさせてもらう中で気づいたのは、何でもやってみると得るものが必ずあるということ。今の自分があるのは、1年目の経験があったからで、私も少しは強くなれたかなと思っています。当院には5人の医療ソーシャルワーカーがいるのですが、良い支援を続け、地域と他の病院にスゴイと言われるチームになるのが目標です。池田というソーシャルワーカーがいるから相談に行ってみようと思われたら最高です。

実は、医療ソーシャルワーカーと言ってもどういう仕事かわからない人が多いのです。医療ソーシャルワーカーを多くの人に知ってもらうのも夢のひとつ。私ひとりで、どうにか出来ることでもないのですが、少しでも力になりたいと思っています。


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