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親子のために知っておいて欲しい ~はじめての月経のお悩み:月経時の痛み(月経困難症)~

[第1回]

医療法人 とくなが女性クリニック 医学博士 徳永昭輝院長・理事長

2015年11月1日

「月経痛」の原因が分かれば怖さはなくなりますよ!

“月経(生理)が始まりお腹が痛くて学校にも行けない”と、親に連れられて当院を訪れる若い子が少なくありません。本人だけではなくお母さんも“痛みの原因がわからないから、何か病気じゃないか?”と思い怖くて仕方ないんですね。ほとんどの場合は、子宮や卵巣に異常があることはなく、診察の後「悪いところはありませんよ!」といって、痛みを和らげる処置(多くの場合鎮痛剤が使われます」を行いますが、多くの人は痛みが和らげば安心して帰って行きます。


知っておきたいこと

  1. 診察は①症状をよく聞いて、②内診はケースバイケースで、必要があれば外性器を観察するだけ終わります。③今はエコー(超音波診断装置)で骨盤内の子宮や・卵巣の状態を観察しています。エコーは、経腟からも腹壁からでも異常がないかどうか診断することができることが多いので心配することはありません。内診が嫌な場合にはハッキリと医師に告げることが大切です。
  2. 月経のときのなぜ痛みが発症するのか? 月経というのは、女性ホルモンによって厚くなった子宮内膜の表面部分「機能層」という組織が剥がれ落ちる子宮からの出血です。剥がれ落ちた組織が壊れる時にでる酵素の働きで、血液を固める凝固因子も破壊されるために、月経血は固まらずに子宮の外に出てきます。しかし、子宮筋腫などの子宮に異常があって月経血が多いような場合には、一部が凝固してしまい、塊となってしまうのですが、これを押し出そうと子宮が収縮するために痛みが発生することがあります。もうひとつの痛みの原因には、炎症による痛みがあります。

月経のときの痛みが強いと誰でも恐怖に陥ることが多く、何か病気がないかと心配して悩む女性が多く、気になることがあったら気軽に相談して欲しいですね。



月経

正常な月経 … 25~38日の周期的な出血で3~7日で自然に止まる
頻発月経  … 24日以内の周期
希発月経  … 39日以上の周期
過短月経  … 1~2日で終わる
過長月経  … 8日以上続く



困った時は、婦人科の活用を!

月経のある頃に、テストや修学旅行、部活動の大会などがある場合、本人には深刻な悩みで、どうしたらいいでしょうかと相談に来る子も多いです。こういう場合は、ホルモンを投与出来ます。副作用がある場合は、それも薬で対応できます。小児科の中にも処方させて欲しいという先生がいますが、ホルモンは専門知識が必要なので、婦人科で行うべきです。ホルモンを飲むと、血栓ができやすくなるので、体を動かし水をよく飲むなどの注意が必要です。修学旅行で飛行機に乗るなど、長時間の移動ではいわゆるエコノミー症候群に気をつけなければいけませんが、そういった指導もまた大切ですね。

月経というのは、女性ホルモンによって厚くなった子宮内膜の表面部分「機能層」という組織が剥がれ落ちる子宮からの出血です。剥がれ落ちた組織が壊れる時にでる酵素の働きで、血液を固める凝固因子も破壊されることで、月経血は固まらずに子宮の外に出てきます。月経血が多いと一部が凝固してしまい、塊となってしまうのですが、これを押し出そうと子宮が収縮するために痛みが発生します。もうひとつ炎症による痛みもあります。痛みに対する恐怖というのがあると思うのですが、気になったら相談して欲しいですね。高校2~3年生くらいになると、ピルを活用して痛みを抑えることも可能になります。



月経をきっかけに、お母さんにはお子さんと話しやすい生活環境を作ってほしい

現代は、子宮頸がん、ウイルスの感染、低年齢化するセックス、性交による感染症などが少なくありません。お母さんは知らなくても、お子さんたちはスマートフォンなどを使って調べたり、友達同士で情報を交換して知識を身に受けていることが多いようですが、やはり、何かあった時に信頼できる大人に相談できるというのが一番です。信頼できる大人?
それが身近なお母さんです!
お子さんの体のことに対して正しい知識を持つことが大切です!


月経が順調で、排卵があるということは、妊娠できる体になったということです。月経の始まりをきっかけに、母と娘で女性の体の仕組みや性について、話しが出来るようになるのが望ましいですね。子どもの性格にもよるし、思春期という難しい年頃ですので、関わりすぎても、反発や敬遠されることもあって、距離の取り方に答えはありませんが、「いつもと違う様子」を見逃さない見守り方は必要です。

月経時の黄体ホルモンは、精神状態が不安定になったり、食欲の変化、むくみ、腸の働きの鈍り、イライラなどを引き起こす場合があります。男性と違い、女性は1カ月ごとのリズムを持った生活を強いられています。何か変だなと思ったら、婦人科の受診という選択肢も常に考えておくべきです。妊娠したと思っていても、なかなか本当のことを言うことができないで、やっとお母さんに打ち明け、受診さてれて「妊娠中絶をお願いされても、中絶できる時期が過ぎていて、“赤ちゃんを産むしかない!”」といったことを言わなければならなかったことも多く経験しています。

婦人科というと、敷居が高いイメージもあるのかもしれませんが、今は電話を頂ければ、受信時間の調整もできます。女子高生のスポーツ選手なども顧問の先生に薦められ、診察に訪れることも多くなりました。 産婦人科医は現在、学校医ではないため、子供たちの性の問題や体の問題などについて直接中学生や、高校生との接点はありませんが、これからは協力医師としてでも、子供たちの性の問題などかかわりができるようにしたいと思っています。以前から婦人科医を学校医として認めて欲しいと働きかけていますがなかなか実現できません。
産婦人科医がもっと身近な存在になれたなら、子供たちとも女性特有のトラブルについて、周りの大人たちと協力できるようになれば、家庭でもお母さんとこどもさんと「性の問題や、体の悩み」などについて話しやすくなるのではないかなと思います。

大切なのは、普段からコミュニケーションできる環境をとっておくということです。

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