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親とよいこのサポートステーション 「はっぴぃmamaはうす」が目指すこと

【第7回】

NPO法人はっぴぃmama応援団 保健師 松山 由美子さん

2016年6月13日

妊婦さんやママの駆け込み寺でありたい

 親とよいこのサポートステーション「はっぴぃmamaはうす」(新潟市中央区神道寺1)には、ホールやキッチンのほか、個別相談やデイケア(休息など)に使える個室、お風呂もあって、見た目は大きめの戸建て住宅のようです。佐藤勇先生(よいこの小児科さとう院長)と県の少子化対策モデル事業に応募しようと話し合った時、本気でママの支援をしようと思ったら常に使える拠点が必要だという先生の覚悟を知りました。当初想定していませんでしたが、適当な建物がなかったため、新たに、医院(よいこの小児科さとう)の併設施設と建てられました。それまで新潟市西区を拠点に活動していましたが、市の中心部から遠く、公共の交通機関もない不便なところで、一軒家を借りていたので制約もありました。

新たな施設は、サロンを開催中でも個別相談やデイケアをできるようになりました。ワンコインランチ(500円)の提供を始めたことで、訪れるママたちは、午前午後を挟んで利用することも可能になり、‘場’としての使い勝手は格段に良くなったと思います。開館は月火木金の週4日。利用者の6割は、ゼロ歳児を抱えたママです。

私たちは、妊娠中から育児が始まっていると考えており、妊娠中からの育児相談として妊婦さんへの支援も行っています。妊娠中から学べるセミナーも開催しているので、妊婦さんも是非いらしてください。送迎バスも備えていますから、車や公共交通で来るのが難しい方は気軽に連絡してほしいですね。

 妊娠期には身体の不調や妊娠期なりの悩みがあり、出産後は子育ての不安から、家族との関係がうまくいかなくなることもあります。子育てで夫婦関係がぎくしゃくしてしまうのは珍しいことではありません。しかし夫婦間、家族間の問題は第三者が入ることで解決できることも多い。一人で悩むよりも夫婦そろってカウンセリングを利用してください。ママが元気でいられれば、たいがいのことは乗り越えられます。元気な時は行ける場も多い。つらいときに利用できる妊婦さんとママのための、駆け込み寺のようでありたいと考えています。



「根拠のある大丈夫」を伝えたい

ママ支援の活動を初めて、もう11年になります。常々、子どもの発育や体調について相談する場はあっても、自分(ママ)のことを相談する場がないと感じていました。身近な人に相談しても「大丈夫」「今だけだから」と言われてしまう。大丈夫だと思えないから悩んでいるのに。ママ友同士で会っている間は気持ちが晴れたような気がしても、家に帰ると、またどんよりと気が沈む。自分だけがダメなママに思えてくる。何も解決していないからです。また「褒める子育て」で自己嫌悪に陥ってしまう。この悪循環は私も経験しました。ストレスを抱えながら褒めるようにして、3日目にキレる。これではやらない方がましですよ。

 以前、金沢市で暮らしていたのですが、家を離れて東京で3日間の研修を受けるため、3人目の子の断乳を決意して助産院を尋ねたところ、不安を抱えていた私に、助産師さんは「子どもを預かってくれている人に任せればいい。帰った後、必要だったら授乳すればいい。心配はいらない、大丈夫だから行ってらっしゃい」と背中をポンと押してくれたんです。その「大丈夫」には、専門職としての根拠があるから納得できた。それから1年間、その助産院で教室を主宰しました。「はっぴぃmamaはうす」は、その助産院をモデルにして作り上げてきたのです。そして常に「根拠のある大丈夫」と具体的なアドバイスをするように心がけています。

 私たちは誰しも、何かを「する」ことで周囲から評価を受けています。やれないということを受け入れられない。育児中、これまでと同じように家事ができるわけがないのに、できないことで自分を責めてストレスを溜めてしまう。夫に協力を求めることができなかったり、時には協力を拒んでしまったり。一人でがんばってしまう。繰り返しになりますが、子育てはママが元気なら、たいがいのことは乗り越えられます。さぼっても、時には嘘をついてもいいから、自分自身が良い状態でいられることを優先してほしい。

子育てが何より一番大事な仕事

 「2人目を産みたくない」もしくは「2人目で終わり」と言うママは多いです。つわりがひどかったからとか、つわりの間に上の子の面倒を見られないとか理由はそれぞれありますが、出産自体がトラウマになってしまっているケースも多いです。一人っ子にしたくないからと、2人目までは義務感で産むことはあっても3人目はない。これでは人口は増えませんよね。

 看護系の教科書には記載されているのですが、「また産もう、産みたい」と思えるのかどうかは、出産の捉え方次第で変わります。だから私たちは妊婦さんの時点から関係つくりをしていきたいと考えています。

今は新潟市に対して母子手帳の交付時に、当施設について告知してもらえるよう働きかけて地域で認知していただけるようにしたいです。産後のデイケアや訪問ケアに関して、利用料が本人負担だけでは子育て世代には厳しいので、県や国に補助枠の拡大を期待しています。

 以前国の補助金を受けて訪問ケアと産後ケアを3年間実施しましたが、その時に、上の子に障害があって外に出られないというママに出会いました。ここに来られないママや子どもたちのケアをどう実現させるのか。そういった家庭に対する訪問看護にも早急に着手したいです。

 はっぴぃmamaはうすの運営や行政に対する働きかけを通して訴えたいのは、子育てが世界で一番大事な仕事なんだと、みんなが認める社会です。父親も大事、周囲の大人も大事ですが、ママにしか担えないことがある。まず大事なのはお母さんと、みんなが思える世の中にしたいですね。


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